「ネットの中」で遊ぶ子どもたち 親はどうやって守る?

パソコンやインターネットに囲まれて育った今の子どもは、ネット空間も現実と同様に身近な遊び場だ。ただトラブルも増えている。閲覧や利用時間の制限に躍起な親の目をかいくぐってネットにアクセスし、問題になることも多い。親はどう対処すべきか。

親の財布から金を盗む

子どもネット研の講習会には多くの保護者が集まった(11月、東京都渋谷区)

「一度ネットを許可すると、親に止める手立てはない。もっと慎重にすべきだった」。神奈川県内の女性会社員(45)はそう振り返る。5年前、当時中学生だった次男(18)がネットゲームにはまり、不登校にまで発展したからだ。

次男から「クラスのみんながやっている無料のネットゲームをやりたい」と申し出があった時は軽い気持ちでOKし、保護者の承認ボタンを押した。しかし、アイテムを買うために親の財布から金を盗んでいたことが発覚。パスワードの変更、アカウントの削除、家のパソコンの会社持参など様々な対応を取った。

それでも「今度は友人宅に行く、他人のIDを借りる、最後には『学校に行かない』と不登校になった」。その後、次男は専門家のカウンセリングを受け、ゲームをやめて学校に通うようになったが「単なる取り上げや禁止だけでは止められなかった。親はネットに対する情報が不足している」。

最近はパソコンだけでなく、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)なども登場。接続手段が多様になり、子どものネット利用でのトラブルは、どの家庭にも起こりうる問題だ。

親を出し抜く子ども

「パソコンにパスワードをかけて、1日の利用時間も決めている」(東京都内の44歳男性会社員)など利用を制限している親も多い。しかしこうした対策は必ずしも万能ではない。子どもはあらゆる手段を使って親の目をくぐり抜ける。

有害サイトなどの閲覧を自動的に制限するフィルタリング事業を手がけるネットスター(東京都港区)によると、子どもが親を出し抜く「手口」は主に2つあるという。1つ目がスマホから電車や飲食店内でWiFi(ワイファイ)などの公衆無線LAN(構内情報通信網)を使いネットに接続する方法。携帯電話回線をフィルタリングしても、無線LANなどを使えば有害サイトやゲームに簡単にアクセスできる。

もう1つがスマホなどのアプリケーションを利用すること。不特定多数とチャットができるアプリやゲームアプリの中には有害な画像などを閲覧できるものがあり、こちらも単純なフィルタリング機能では制限できない。「使ってみないと安全なアプリか分かりにくいものが多い」(同社)。千葉県内の主婦(49)は「フィルタリングをかけていたので安全と思っていたら、無料通話のアプリをダウンロードしてネット上の『見知らぬ人』と交流していた」と危機感を訴える。

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