くらし&ハウス

安心・安全

雨漏りや発電不足… トラブル増加、太陽光発電の落とし穴

2012/10/24

 太陽光発電装置を自宅に設置する人が増える中、様々なトラブルも目立ってきた。工事ミスで雨漏りしたり、期待したほど発電しなかったり。東日本大震災以降のエネルギー問題への関心の高まりもあり、太陽光発電を設置した人は100万人を超えた。専門家は安易にブームにのることを戒めている。

 長野県安曇野市の百瀬稔さん(67)が住宅用太陽光発電をつけたのは2年前の3月。環境問題に興味があり、売電収入で元がとれる可能性があると知って、地元の電力会社系建設業者に約260万円で発注した。

■設置工事の不備続出、民事調停で再工事

太陽光発電の台を固定するネジを留めるため、屋根の裏面に添え木(中央付近の短い2本の木)が使われていた不十分な工事の例

 ただ、工事ミスで雨漏りした例があるのを新聞記事で知り、工事中の写真を撮影。メーカーのマニュアルを取り寄せて工事が正しい手順か調べてみた。すると……。

 ・太陽光パネルをのせる台を、屋根を支える垂木(たるき)という木材に直接ネジで固定する必要があるのに、屋根の裏側に添え木のようなものをあててネジ留めしていた。強度不足が懸念され、大きな地震でパネルが落下する恐れがある。

 ・雨漏りするのを防ぐため、ネジ穴にシーリング材を塗って防水処理をするはずなのに、一部で必要な処理がされておらず、メーカー指定のシーリング材も使われていなかった。将来雨漏りが起こる可能性がある。

 不備に気づいた百瀬さんは建設業者に抗議。業者は交渉を渋ったが、結局民事調停を実施し、再び工事をやり直す費用として約500万円の支払いに同意した。百瀬さんは「つけてしまえば、後は雨漏りしても地震が起きても知らないよ、ということだと思う」と憤る。

■11年度の相談、5割増の約4000件

 太陽光発電装置をつけて国の補助金を受けた件数は、2011年度に前年度比26%増の約23万6千件。今年6月末で累計104万8千件に達した。肩を並べるようにトラブルも増えており、国民生活センターによると、太陽光発電を中心とするソーラーシステムに関する相談は11年度に約4千件と、前年度に比べ5割近く増えた。

 「5年前に太陽光発電を設置。最近になって雨漏りし出したのに、工事業者は誠意ある対応をしてくれない」(近畿地方の40代男性)

 「設置工事で屋根がひしゃげ、穴が開いたので分割払いの支払いをやめたい」(四国地方の女性)

 設置時の工事ミスのほかに、つけてはみたものの予想したほど発電しない、という苦情も目立つ。

 鹿児島市の寺内祐二さん(仮名、57)は06年に自宅の庭とガレージの屋根に設置。ところが、期待した発電量の8割程度しか発電しない。販売業者に点検してもらっても「不具合はない」との回答。屋根より低い場所に水平につけていることが原因と思ったが、今年に入って発電量が約5割まで落ちた。「最初からパネルが不良品だったのかも」と頭を悩ませている。

【関連キーワード】

太陽光発電

くらし&ハウス

ALL CHANNEL