スマホから自覚ないまま電話帳や発信履歴が流出 どう守る?

スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)でゲームや事務支援機能などを持つアプリケーションをダウンロードすると、本人の自覚のないまま電話番号や位置情報が抜き取られる事例が多発している。スマホは職場や家庭などで行動をともにするものだけに「どうしたらいいのか」と戸惑う利用者が目立つ。

アプリの主目的は別?

このアプリでは電話の発信履歴や位置情報などが流出する

「端末に保存した連絡先(アドレス)データの読み取りをアプリケーションに許可します。悪意のあるアプリケーションがデータを他人に送信する恐れがあります」。電卓の機能を持つアプリの一つ。9月のある日、このアプリをダウンロードしようとすると一見、親切にも見えるこのような表示が出て本人の承諾を求めた。許諾を与えないとこのアプリを使えないが、どのようなデータが抜き取られるかは明示されておらず、早く使いたい人ほど安易に許諾を与えがちだ。

実はこのアプリが抜き取るのは「電話の発信」の履歴、「アドレス帳」「位置」などの個人情報。このアプリの主目的はむしろこれら個人情報を抜き取ることで、電卓機能はそのために仕組まれたおとりとさえ思える。

あるゲームのアプリでは、収集される個人情報の詳細は、指でスクロールしないと見つけられない。許諾を求める最初の画面にはなく、スクロールして最後になってようやく「現在地」や「電話/通話」の記録も収集の対象となっていることが分かる。多くの人は最初の画面を見るだけで、自覚のないままこれらの個人情報の提供を許諾しているとみられる。

これらはアプリそのものが個人情報を巧みに収集するものだが「ゲームなど各種アプリに入っている広告の中に、個人情報収集モジュールを忍ばせているケースもある」。独立行政法人産業技術総合研究所の高木浩光主任研究員はこう注意を呼びかける。

「無断で情報収集」が大半

KDDI研究所が昨年8月時点で、スマホでダウンロードしたアプリ400件を分析したところ、端末を特定するID情報を集めるアプリが181件(45%)あった。情報収集することを適切に説明していたのは17件にとどまり、無断で集めていたのが157件と大半を占めた。

こうして集められた個人情報は、事業者側が個人の好みの傾向や居所を分析して特定の広告を送りつけることなどに使われているとみられるが、詳細は不明。中には「交流サイト(SNS)にアカウントがあるが、登録していない勤め先のメールアドレスなどに、その交流サイトから案内メールが来る。個人情報が漏れていないか非常に不安だ」(東京都の男性、48)といった声もある。

総務省がスマホ利用者を対象に2月に行った調査(有効回答1576人)ではアプリで問題が生じたことのある人は約3割で、「迷惑メールの増加」「意図しないサイトへの誘導」などのほか、高額の請求画面が表れた人もいた。

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