くらし&ハウス

安心・安全

子どもの「安全な食事」確保へ 消費者、情報集め自ら動く

2012/9/25

子どもは大人に比べて放射性物質の影響を受けやすいとされる。給食や日々の食事は本当に安全なのか。主婦らは不安を払いのけるように積極的に情報を集め、一歩前へ動き始めている。

■母親の視点で疑問ぶつける

主婦で構成する世田谷こども守る会は給食で使う食材について区担当者と定期的に意見交換をする

「キノコやクリから放射性物質が検出される例が目立ちます。秋の味覚として給食に使うときに注意していただければ」「参考になります。小中学校の栄養士にも伝わるようにします」

9月中旬、東京都世田谷区に住む主婦で構成する「世田谷こども守る会」の3人は区役所の給食担当者を訪ねた。全国の自治体が発表した食品中の放射性物質の検査結果をわかりやすくまとめた資料を持参。データを基に、母親の視点で次々と疑問をぶつける。「調理場では念には念を入れて、食材を洗う回数を4回に増やした」など区の説明にも納得しながらメモを取り、1時間の会合を終えた。

守る会は昨年5月に発足した。19人の中心メンバーが子どものために今何が必要かネット上で議論を繰り返し、会の活動や区内の最新情報を460人にメール配信する。3人の子どもを持つ共同代表の瀬田美樹さん(44)は「放射能の問題は先が見えづらく、長く付き合う必要がある。行政や議会も納得してもらえるよう、冷静で客観的な提言を続けていく」と意気込む。

■行政が助けられる側面も

区は「もの言う区民」を歓迎する。昨年は放射性物質の検査機器の選定を終えた後に守る会の指摘を受けて、より高い精度の機器に変更。保健所が開示する給食の検査結果には、要望に沿って各食材の産地を明記することにした。学校健康推進課の秋元勝一課長は「保護者の安心のための施策なので、意見は極力反映させたい。守る会の情報収集力に行政が助けられている部分もある」と話す。

群馬県安中市の岡崎るみさん(34)が立ち上げた「放射能から子どもを守ろう安中の会」は、月1回の勉強会を続けている。3月にまず選んだテーマは「内部被曝を防ぐ調理法」。4歳と2歳の子どもを持つ岡崎さんの同世代に加えて、孫の健康を案じる高齢者ら90人が参加した。

群馬は自家栽培の野菜を食べる家庭も多い。「土を落として丁寧に洗う、煮るなど、効果は小さくても家でできることがあると知って前向きになれた」と話す岡崎さん。国の検査結果への関心も高まり「危険なのは一部の食材。まずそれを避けよう」と落ち着いて考えられるようになった。

くらし&ハウス 新着記事

ALL CHANNEL