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安心・安全

コメの安心・安全は守られたか 10月から新しい基準値適用

2012/9/24

日本の食卓は福島原発事故により放射能汚染という予期せぬリスクにさらされた。震災から1年半、事態は落ち着きつつある。食の安心・安全を取り戻す対策はどこまで進んだかを、2回に分けて報告する。まずは10月1日の新基準適用を控えたコメの状況から。

■茨城県の検査件数、昨年の3倍に

生産者から届いた玄米を小分けにして検査器にかける(茨城県ひたちなか市の県環境放射線監視センター)

毎朝9時、茨城県内で収穫したばかりの新米が県環境放射線監視センター(茨城県ひたちなか市)に次々と運び込まれる。10月に適用となる基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを含んでいないかを計測するためだ。稲刈りは今が最盛期。多い日には100件を超えるサンプルが届き、計測は夕方まで延々と続く。

茨城県は今年、全44市町村の1322地点でサンプル検査を実施する。昨年のおよそ3倍の件数だ。県はまず収穫前に全市町村に新米の出荷自粛を要請。基準値以下を確認した市町村から随時解除する。産地振興課の担当者は「ここまで39市町村で安全を確認した。最後まで緊張感を持って検査に臨む」と表情を引き締める。

収穫の秋を迎え、新米の安全確認が佳境に入っている。ほとんどの食品は4月に新基準が導入済みだが、コメは収穫時期に合わせるために半年間猶予され、これまでの基準である暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)が適用されてきた。主食であるコメの安全確保は重要で国は東日本の17都県を対象に綿密な検査計画を独自につくった。11年産米の検査結果を基に危険度を5段階に分類し、リスクが高い地域ほどきめ細かい検査を義務付けた。茨城県の検査も国の計画に則したものだ。

■新米を袋ごと検査

地域によっては国の指示を上回る独自検査も行っている。例えば福島県はサンプル検査ではなく収穫した新米を袋ごとすべて検査する。消費者に安全性をアピールするための試みだ。9月20日現在で検査した袋はすべて基準をクリアした。

「去年の二の舞いは許されない」と農林水産省穀物課の担当者は話す。新米収穫時のサンプリング検査で異常値は検出されず、一度は安全宣言をした。だがその後に暫定規定値を超えた新米が福島県で見つかった。今年は検査個所を昨年比約10倍の約3万件に増やし、より念入りに調べる。

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