大阪人が誇る「日本一低い山」にライバル続々

標高4.53メートルの天保山は大阪が誇る日本一低い山。そう信じていたが、四国に住む知人が「それって間違いでは」とクレームを付けてきた。聞けば、香川県や徳島県などにも天保山に匹敵する低い山があるそうだ。いったいどんな山か。全国の「最低の山」を巡った。

まず訪れたのが香川県東かがわ市の白鳥神社。猪熊兼年宮司と境内へ入る。「日本一低い山」との石碑に行き着いた。しかし、辺りはだだっ広い松林。どういうことかと思っていたら「この松林全体が御山(みやま)です」と猪熊宮司。いつの間にか“登山”していたようだ。

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御山は2005年に“発見”された。前年の台風で地区一帯が浸水した際、地区でどこが最も高いか調べ、標高3.6メートルの地点に石碑を建て山頂とした。明治期の郷土資料にも「御山」の記載がある。神社で登山証明書も発行しており、すでに1万4000人が登山した。「3万人を超えれば国土地理院に『山』として申請します」と猪熊宮司は言う。

そもそも天保山が「日本一低い山」を称するのは、国土地理院発行の地形図に山の名の記載があるから。では、どうすれば“お墨付き”がもらえるのか。国土地理院に聞くと「『山』の厳密な定義はありません」と前置きしつつ「長く地元で『山』とされてきたものや、測量の基準となる三角点のある場所が『山』と言えます。高さは問題ではありません」とのこと。

天保山は江戸期に安治川をしゅんせつした土で築かれた。人工だが歴史的な経緯と、二等三角点が位置することから「山」として認知されたようだ。

次に向かったのが徳島市の弁天山。標高6.1メートルの自然の山だ。国土地理院にも認定され「日本一低い自然の山」を称する。小ぶりだが遠目からも山と分かる形状。ふもとの鳥居をくぐり、階段を上ると20秒で山頂へ。小さなお社がある。厳島神社という。地元有志でつくる弁天山保存会の井上武さんが「魚も山も天然物が一番」と言えば、山下釈道宮司も「登山しても絶対に遭難しないので縁起が良いですよ」と話す。