生産量が前年の1.5倍に レコード人気、急回復のワケデジタル世代には新鮮な響き

英人気ロックバンド「レディオヘッド」のレコードは新聞大の解説書付き

1年ほど前に「ユーチューブ」にライブの動画がアップロードされた時、「デジタルで聴いてほしくない」とすぐに削除を要請。知名度向上につながる可能性をつぶしてまでも、レコードにこだわった。

日本レコード協会(東京・港)によると、2011年のアナログレコードの生産数量は21万枚で10年比でほぼ2倍に増えた。生産金額は同97%増の3億3600万円に。今年1~6月の数量も前年同期比51%増と増加傾向が続く。規模は小さいが、市場収縮が続くCDや音楽配信とは対照的だ。

レコードが脚光を浴びるきっかけをつくったのは黒いチェリーのようなインディーズバンドだけではない。レディオヘッドやデヴィッド・ボウイといった海外の大物ミュージシャンがレコードで作品を発売する動きを強めたことも影響した。国内には、ザ・クロマニヨンズのように結成当初から、発売した作品すべてでCDとレコードを併売するミュージシャンもいる。

名盤レコード復刻、団塊世代が再び来店

「ブルーノート」の復刻レコードのジャケット

音楽雑誌「レコード・コレクターズ」の佐藤有紀編集長は「レコードの音はCDの音より厚みやぬくもりがあるため、表現方法として重視するミュージシャンが増えているようだ。音楽配信とレコードの組み合わせが多い」と分析する。

レコードに注目しているのはアーティストだけではない。CDやレコードの販売店を展開するディスクユニオン(東京・千代田)はEMIミュージック・ジャパン(同・港)と共同で、昨年秋から名門ジャズレーベル「ブルーノート」の名盤レコードの復刻企画に取り組む。第5弾まで、各回ごとに5タイトルを計5千枚、限定生産した。ジャケットや音質をオリジナルの初盤に限りなく近づけたといい、ほとんど完売した。

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