50円、5円、1円硬貨を通常発行しないワケ?

さらに付け加えなければいけない最近のトピックスがある。

最近は通常発行をせず、ミントセット(貨幣セット)だけしか発行しない硬貨が、なぜか増えているのだ。

平成22年の50円5円硬貨、平成23年の50円5円1円硬貨がそれにあたる。

つまり、50円硬貨と5円硬貨は、2年連続で通常発行されていないのだ。いわば、コレクター向けの硬貨。当然のことながら、これらの販売価格にはプレミアがつくことになる。

背景には、どうやら電子マネーの急速な普及などがあるようだ。

特に市中での小額硬貨のニーズが低下しており、実際、それぞれの発行枚数も減少傾向にある。買い物などの場面で、「硬貨離れ」が着実に進んでいるというわけ。

同年発行で違う図柄、穴がない50円硬貨も

最後にコレクターに人気の高い“変わり種”を2つ紹介しよう。

図10を見てほしい。これは10円硬貨に描かれた平等院鳳凰堂の図柄。同じ年に発行されたのに、屋根の先端や階段の部分に左右で違いがあるのが分かるだろうか? 左が昭和61年前期、右が昭和61年後期に発行された。右の図案の方が発行数が少なく、価値が高い。これは業界で「手変わり」と呼ばれ、珍重されている。

図10

硬貨の状態次第だが、矢沢さんによると、販売価格は6万~8万円くらいが目安ではないかという。

表11

穴が空いていない50円硬貨も“変わり種”の代表例だ。

矢沢さんによると、造幣機などに不具合があったせいなのだろうか、なぜか昭和50年発行の五十円硬貨に穴がないものがあるらしい。状態次第だが、販売価格の目安は20万円くらいだという。

表12

このほか、5円硬貨も含めて、穴が空いていなかったり、穴の位置がずれていたりする“変わり種”もまれにはある。硬貨としては失敗作だが、「エラーコイン」としてコレクターの間では人気が高い。

これらは、入門編というよりも、さらに一歩踏み込んだマニア向けの硬貨の楽しみ方かもしれない。

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