日本は洗濯機もガラパゴス? 日米欧で方式なぜ違う編集委員 小林明

なぜ米国では「かくはん式」が主流になったのだろうか?

まとめ洗い、大物洗い…

欧州ほど水の硬度が高くないため、水を高温に熱する必要はない。さらに洗剤や漂白剤を使えば洗濯物を十分に殺菌・消毒できる。だから、水を大量に入れたたらいを火にかけ、棒でかき交ぜながら洗う方法が広がった。

この方法を洗濯槽内で再現するため、米国で「かくはん式」(アジテーター式)が普及したというわけ。

「かくはん式」なら、「まとめ洗い」や「大物洗い」ができるほか、洗濯途中でも部分洗いしたり、残っていた洗濯物を洗濯機に投げ込んだりすることもできる(「ドラム式」だと洗濯の途中でドアを開けられない)。

東芝で長年、洗濯機などの開発に取り組んできた大西正幸さん(家電事業部門の元技師長)は(1)洗濯時間が「ドラム式」よりも短くて済むうえ、汚れが落ちやすい(2)洗濯物の出し入れがしやすい(3)洗濯の状況がよく見える(4)一度にたくさん洗濯できる――ことなどから、「かくはん式」が米国で普及したのだろうと説明する。

妻の誕生日にプレゼント

ちなみに、米国では1869年に手動の「かくはん式」洗濯機の特許が出願され、1874年に事業家のブラックストーン氏が妻の誕生日に手作りの木製洗濯機(ハンドルを回すとギアの動きで6本足が付いた円盤が回転し、水をかき回す)を贈ったという記録が残っているそうだ。

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