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いまどきの若者、転職組の挑戦 意外と大胆で冷静

2012/8/28

いまどきの若者は「内向き」で、高額消費に興味がない――。野心がないように見え、もどかしいともらす中高年は多い。だがそうだろうか。バブル崩壊後の「失われた20年」の厳しい時代に育った1980年代生まれは今年23~32歳。彼らのなかには、冷静に状況を判断し、自らの思いをかなえるために柔軟、かつ大胆に挑戦する人もいる。

■新宿ゴールデン街、店を開く若者が増加

多くのマンガが並ぶ「バー図書室」を経営する岡部愛さん(東京都新宿区)

東京都新宿区にある老舗の歓楽街、新宿ゴールデン街。バブル期は地上げで空き店舗も目立ったが、近年は新たに店を開く若い経営者も増えてにぎわいが戻った。

2010年に開店した「バー図書室」は、28歳の岡部愛さんが経営者として店に立つ。愛知県出身。上京して服飾専門学校を卒業後、高級服縫製の仕事に就いたが残業が多い割に給料は少なかった。「自分がやりたいことは何か」と考え直して1年で退職。アルバイト経験があり、客とのやりとりに醍醐味を感じていたゴールデン街に戻ってきた。縁あって店を譲ってもらうことになったのが25歳。開業費用など足りない分は、両親に頼んで借りた。

■終身雇用、いつまで続くか

小売業でのバイト時代に疑問を抱いた。「どんなお客もお客様」という考え方は正しくても「中にはひどい客もいる。そういう人にまで頭を下げなくても」。そんな芯の強さが店を構えるという大胆な道を選ばせたのかもしれない。

店は自らも一家言を持つマンガがコンセプト。経営は軌道に乗ったものの、一方で「もうすぐ30歳。結婚して子育てもしたい。その時お店はどうしようか」と、揺れる思いも抱える。

スポーツ選手のマネジメントなどを手掛けるドルフィノン&カンパニー(東京・中央)のディレクター、渡辺健太さん(23)。昨春大学を卒業後リクルートに入社したが、会社の同僚が創業していたドルフィノン社に誘われ、3カ月で転職した。

五輪出場を目指す選手支援など事業にやりがいを感じたからだが、背景には「我々の世代は大企業に就職しても終身雇用がいつまで続くか分からない」との冷静な見方がある。物心ついたときから経済低迷が続いた時期に育ってきただけに「自分の力で勝負できる仕事に挑戦したかった」。

■あてにならない年金

渡辺さんは「同世代が同じ考えばかりとは思わない」とも言う。安定した仕事を望む人も多く「二極化が進んでいる」。ただ本人は「年金などあてにならない。国に頼らないためにも、仕事で成功する必要がある。国内外を問わず起業したい」と目標は明確だ。

「収入はほどほどでもいいんです。将来やりたいことに近づいているので」と話すのは、昨年に東京都から千葉県富津市に移住した西田直人さん(28)と金子愛さん(26)。同市に8月に誕生したアートスペース「カナヤベース」を実現した若者たちのけん引役だ。

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