しまなみ海道沿いの島の中でのサイクリングに役立つのが、昨年8月から愛媛県や広島県が整備を進めている「サイクルオアシス」。民宿や飲食店などに協力を求め、休憩所やトイレ、空気入れなどを無料でサイクリストに提供している。
現在、約40カ所あるが、必ずしもブルーライン沿いではなく、橋の架かっていない弓削島や岩城島(いずれも愛媛県上島町)にもある。
その理由について、企画を主導した特定非営利活動法人(NPO法人)シクロツーリズムしまなみの山本優子代表理事は「最短ルートを走り抜けるだけでは地域との交流はできない。船に乗ったりしてゆっくり島々を巡ってほしいから」と説明する。
シクロツーリズムしまなみではミカン狩りや観潮船での潮流体験を盛り込んだポタリングツアーを手掛けており、経験豊富なガイドが無理なくゆっくり案内してくれる。
■新鮮な魚介類やかんきつ、ご当地グルメに舌鼓
大島から「伯方の塩」で有名な伯方島、海の神・戦いの神として知られる大山祇神社がある大三島を過ぎ、多々良大橋を渡ると生口島に入る。ここからは広島県尾道市で、ほぼルートの半分を走ったことになる。
生口島は有数のかんきつ類生産地であり、国産レモンの発祥地でもある。
ブルーラインの途上には手作りジェラートの店、「ドルチェ本店」があり、前述のサイクルオアシスを兼ねることからサイクリストでにぎわっている。デコポンやレモンなど地元のかんきつを使ったシャーベットが売り物だ。
しまなみサイクリングでの楽しみのひとつがこうした多彩な「食」。生口島では瀬戸田のひなびた商店街にある岡哲商店の揚げたてビーフコロッケが大人気。
大島では、道の駅よしうみいきいき館の七輪バーベキューをはずせない。地元産の新鮮なヒオウギ貝やサザエ、エビなどを炭火で焼く。コースには名物の鯛飯がつくのもうれしい。
今治の市内には「今治焼豚玉子飯」、尾道の市内には「尾道焼きそば」というテッパン系B級グルメも控えている。