MONO TRENDY

ブームの予感(日経MJ)

「ガンダム」デザイナーが語る 長寿の秘密 メカに「リアルさ」凝縮

2012/6/3

1979年のテレビ放送開始から33年たっても根強い人気を誇るアニメ「機動戦士ガンダム」。4月19日、東京・お台場にテーマパーク「ガンダムフロント東京」が開業し、ブーム再燃の兆しもある。作品の主役ともいえる人型兵器「モビルスーツ(MS)」をデザインした大河原邦男氏(64)は、日本のメカニック専門デザイナーの草分け。デザインしたMSは悪役もフィギュアやプラモデルになり、その人気は主役をもしのぐ。メカとしてのガンダムが長く愛される理由と、デザインの流儀を語ってもらった。

大河原邦男(おおかわら・くにお)氏 1947年東京都生まれ。美術大学卒業後、アパレル会社を経てタツノコプロ入社。ガンダム以外の主要作品は「ヤッターマン(77年)」「装甲騎兵ボトムズ(83年)」「銀河漂流バイファム(同)」など。

ガンダムはメカデザインの面で、それまでのロボットアニメのスタイルを覆した。最大の特徴はリアリズム。細部の「本物らしさ」をつきつめる大河原氏のデザイン思想が、アニメの視聴者層が子供から大人に広がる時流に一致した。

「アニメとしてのガンダムは、近未来のストーリーをリアルに設定することで視聴者の年齢層を引き上げた。メカデザインでも同様に、大人が納得できるものを追求した。それまでのロボットは円柱や角柱のパーツを組み立てただけ。私は筋肉の盛り上がりを付けて人らしくしたり、鉄砲を本物の兵器らしくしたりとリアリズムを盛り込んだ」

ガンダムで最も露出が多いのは当然ながら主人公のMSだが、実は大河原氏が思い通りにデザインの筆を振るえたのは悪役だった。

「どんな作品でも、悪役のメカへの思い入れが強い。正義の味方は『玩具等で商品化しやすいように』というスポンサーの意向など、いろいろな制約がつくから。ガンダムで一番好きなメカは、悪役であるジオン軍のザク。30歳のときに1週間で書き上げた。富野由悠季監督からは目の部分だけ指示を受けたが、ほかは比較的自由にデザインできた。ジオンは第2次大戦中のドイツ軍をテーマに、主役のガンダムよりもミリタリズムあふれるデザインにしようと決めていた」

大河原氏が好きなメカ ベスト3
<ガンダム>
(1)ザク(ジオン軍のMS、写真左上)
(2)ハロ(主人公アムロ・レイのペットロボ)
(3)ムサイ(ジオン軍の宇宙巡洋艦、写真左下)
<ガンダム以外>
(1)AT(装甲騎兵ボトムズに登場する人型兵器)
(2)バイファム(銀河漂流バイファムに登場する地球軍の人型兵器の主力機)
(3)レイズナー(蒼き流星SPTレイズナーに登場する人型兵器の主力機)
(写真はいずれも(C)創通・サン ライズ)


MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
PayPay100億円キャンペーン 劣勢を示していたデータ
日経クロストレンド
スタバを脅かす「ラッキンコーヒー」に日本人が学ぶ
日経クロストレンド
世界初の完全栄養ラーメン、パン… 食の革新が進む
日経クロストレンド
高速料金、駐車場代、タクシー料金でも「定価」がな
ALL CHANNEL