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企業の子育て支援、制度に甘えず成果出して 夫にも育児講座、早期復帰で加算金

2012/5/29

少子化を背景に、多くの会社が子育て支援策を拡充してきた。ただ長引く景気の低迷で経営体力は消耗。子育ては応援したいものの、制度をフル活用されて職場が支障を来しても困るというジレンマに陥っている。ときにやさしく、ときに厳しく――手綱の引き締めを目的とした新手の支援策が登場してきた。
損害保険ジャパンの育児休業復帰セミナーは当事者だけでなく、その上司も参加が義務付けられている(東京都新宿区の同社本社で)

■先輩パパの説教で目からうろこ

「先輩パパにずいぶん脅されたようです。夫は残業を減らし、育児に積極的にかかわってくれる」と大日本印刷に勤めるA子さん(34)は話す。2009年に出産。子どもが病気のときは夫婦で交代に半日の有給休暇を取るなどして共働きを続けている。

仕事一辺倒だった夫を“イクメン”に変えたのは大日本印刷が開いた職場復帰セミナーだ。夫は別の会社に勤めるサラリーマン。通常こうしたセミナーは自社社員が対象だが、同社は09年に勤務先が自社でも他社でも夫と同伴で参加できるようにした。A子さんの夫も妻に誘われて10年に参加。育休を半年取った男性会社員と話す機会を得た。

「育児は何を手伝えばよいのか?」。夫の問いかけに男性は「手伝うじゃダメ。あなたも親、母親に任せず積極的にかかわりなさい」と諭したという。「夫の会社は専業主婦を持つ男性がほとんどで育児は妻任せ。職場にいないタイプの男性と初めて接し、父親の役割を考えるようになった」とA子さんは振り返る。

大日本印刷は法定を上回る子育て支援策を持つ。出産退社が減る一方で、家庭を重視する社員が広がった。どうすればもっと仕事に目を向けられるか? 検討するなかで夫婦同伴セミナーが浮上した。「夫を巻き込んで家庭の子育て力が高まれば、会社の制度に過剰に頼らなくても妻はもっと働ける」(労務部)

■環境変化で子育て支援、曲がり角に

企業の子育て支援が曲がり角に来ている。03年に次世代育成支援対策推進法が施行され、子育て支援策の拡充が求められた。その結果、育休取得率が高まるなど子育てしながら働く社員も増えた。だが08年秋のリーマン・ショック以降、経営環境は一変。子育て環境の維持と生産性の向上の両立が課題になっている。

日本企業の子育て支援策は原則平等、社員であれば同じ支援を受けられる。ダイキン工業はそんな既成概念に一石を投じる優遇策を今年4月に導入した。通常年間20万円を上限に保育費を補助しているが、出産から11カ月未満で職場復帰した育休取得者には10万円を加算する。

人事本部の池田久美子担当課長は「ブランクが長くなるほど仕事のカバーは大変。早く復帰する方が本人もキャリアを築きやすいし、職場にもプラス」と話す。

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