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耳寄りな話題

2012/5/20

耳寄りな話題

関西の牛肉購入数量は関東の1.7倍

総務省の家計調査によると、関西の1世帯(2人以上)あたりの2011年の牛肉の購入数量は9.7キロ。地域別では日本で最も多く、関東(5.8キロ)の1.7倍にも達する。逆に豚肉は17.8キロと関東より約11%少ない。

関西の牛肉の購入数量は豚肉より少ないが、これは牛肉の方が高価なためとみられる。支出金額で見ると牛肉(3万1422円)は豚肉(2万5712円)を6000円近く上回り、関西の消費者が牛肉により多くお金を使っているのが分かる。

どうして違いが生まれたのだろうか。調理師専門学校などを展開する辻調グループ校(大阪市)によると、畜産の歴史が関係しているらしい。

平安時代後期から都だった京都やその周辺地域では、牛が輸送や耕作に数多く使われていた。馬が一般的だった関東に比べ、牛を育てるノウハウが蓄積しており仲買の仕組みなども整っていた。

昨今は違いが薄れてきたが……

明治時代になると牛鍋(すき焼き)が流行。明治維新後に機械化が進み、役牛が不要になったこともあって牛鍋の消費量が増加した。「関西の消費者の間に牛鍋が浸透し、『ブランド牛』なども増えていったのではないか」と辻調グループ校企画部の須山泰秀さんは解説する。

一方、養豚は江戸時代末期まで九州や沖縄にほぼ限られ、畜産頭数は明治時代半ばでも約4万頭。その後、政府による畜産振興に伴い全国に広がり昭和前半に100万頭を突破した。こうした歴史的背景から関西では牛肉を好む傾向があるとの見方がある。

もっとも昨今は違いは徐々に薄れてきているようだ。一例が肉じゃが。関西のスーパーで売られている肉じゃがは牛肉、関東のスーパーは豚肉というのが通り相場だった。

ところが東京、神奈川など1都5県で約260店を展開するマルエツは昨年8月から牛肉に変えた。「豚肉より牛肉のほうが味が染みやすい」(広報IR部)などの理由からだ。人やものの行き来が活発になるにつれて、味の好みも平準化していくのだろうか。(大阪経済部 早川麗)

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