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なぜ大阪にはこんなに寺が多いのか

2012/5/5

■大阪の寺密度、全国トップ

文化庁の宗教年鑑(2009年版)などによると大阪府にある寺院数は3289。京都府(3026)や奈良県(1785)を上回り、愛知県(4598)に次いで全国2位だ。寺院の密度でみると1平方キロメートルあたり1.73と、47都道府県で首位に立つ。

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寺院は大阪市に3割強、残りは堺市や八尾市、高槻市など府内に広く分布している。「宗教的自治都市として権勢を誇った石山本願寺は、大阪平野各地に“衛星都市”として寺内町を抱えていました。八尾市の顕証寺や貝塚市の願泉寺、高槻市の教行寺など今に残る寺院も多く、分布に現れています」。京都大学の西川幸治名誉教授(歴史都市論)はこう分析する。

西川さんによると、当時の門徒の日記に「石山に上洛(じょうらく)する」などと記され、石山本願寺は「首都」とみられていたという。「寺院勢力の強さを身をもって知っていた秀吉は、各地の寺院を移転させた上で小さいままにしました。宗教勢力を再び台頭させたくないが、統治には利用したいと考え、分断を図ったのでは」と西川さん。それが現在までつながっているという。

確かに大阪は京都や奈良と違い、宗派の本山や観光バスで乗り付けるような大寺院が少ない。「中小企業の街とされる大阪ですが、中小寺院が多い街でもあります。こうした視点で一度、下寺町を歩いて宗教都市・大阪の息吹を感じてほしいですね」。秋田住職はこう話す。

(大阪社会部 船越純一)

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