日本一の地下道、逆さスカイツリー…東京ふしぎ旅行

マクドナルドに「幻の1号店」

東京には「発祥の地」も数多い。なかでもファストフードは、今も営業している1号店がある。板橋区成増にあるモスバーガー、日本橋高島屋北別館にあるロッテリアは、ともに1972年(昭和47年)にオープンした1号店が健在だ。

日本にファストフードが開店したのは1970年代初め。「ドムドム」や「ケンタッキーフライドチキン」がその先駆けとなった。社会的に大きなインパクトを与えたのは、1971年(昭和46年)のマクドナルドの出店。1号店は銀座三越の1階だった。

実は、マクドナルドには「幻の1号店」があった。神奈川県茅ケ崎市に、建物まで造ったという。どういうことか。

1991年(平成3年)発行の社史、「日本マクドナルド20年のあゆみ」によると、米国側は自動車での来店を想定して、1号店は郊外にすべきだと強く主張したという。しかし、当時の日本はまだ、米国のような車社会ではない。藤田田社長(当時)は「最新の輸入品が登場するのは銀座。1号店は日本の中心である東京の銀座でなくてはならない」と訴えた。折しも前年から日曜と祝日の歩行者天国が始まり、銀座に注目が集まっていた。藤田社長は銀座、それも日本で最も地価が高い地点である銀座4丁目の通り沿いに出店するため、自ら三越と交渉したという。

ちなみに銀座店は既になく、マクドナルドで一番古いのは銀座店開業の4日後、71年7月24日にオープンした代々木店だ。関西での1号店は京都の藤井大丸店で72年のことだった。


大規模な開発を繰り返してきた東京には、時代ごとに刻まれた痕跡がそこら中に眠っている。ゴールデンウイーク後半。晴れた日は地上で、雨が降ったら地下で、東京の「ふしぎ」を探す旅に出かけよう。(河尻定)

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