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被災地ペットと暮らす 私でもできる被災地支援

2012/4/24

東日本大震災から1年が過ぎたが、被災地では飼い主の分からない動物の保護が続いている。行政や民間団体が世話できる数が限られるなか、「里親」として動物を引き取る家庭が増え始めた。被災地のために継続して何ができるか。都市部での取り組みを追った。

■家族の会話が増加

被災した福島の猫を一時的に引き取っている家族(東京都渋谷区)

 「カイちゃん、こっちおいで」「知らない人でもすぐ寄っていくんだから」。東京都渋谷区のHさんは2011年6月、福島県浪江町で被災した黒猫のカイを預かった。カイは右耳が欠けた14歳の高齢猫だが、すっかり元気を取り戻して部屋を走り回っている。

Hさんは夫、中1の娘の3人でマンション暮らし。震災で苦しんでいる人を手助けしたいと考えていたが、現地へボランティアに行くのは難しく、義援金を送るにも限界がある。そんな時、行き場を失っている動物の存在を知った。

カイは保護された後に飼い主がわかったが、現地の住宅事情などで同居が難しかった。猫2匹を飼っていたHさんは「あと1匹なら世話できる。無理なく継続できるやり方で支援ができれば」と考え、飼い主の希望で今秋まで預かることにした。飼い主から餌やおもちゃが送られ、家族3人で原発について考える機会も増えたという。

Hさんと被災地の橋渡しをしたのが、都内で活動する民間団体「ねこひと会」だ。これまで被災地の猫220匹を受け入れ、引き取り希望者との面談や審査を経て120匹の預かり先を決めてきた。

代表の松尾直美さんは「被災地から動物を保護した後、世話をする人手が圧倒的に足りない」と訴える。ねこひと会は30~50代の女性4人を中心に、他団体や個人ボランティアの協力を得て世話を続ける。「私は普通の主婦で、協力してくれる皆さんも同じ。小さな善意でも積み重なれば大きくなる、そんな気持ちで活動している」と話す。

■警戒区域内には5800匹の犬が登録

被災した動物の全体像は見えないままだ。環境省動物愛護管理室によると、立ち入りが制限された警戒区域内だけで5800匹の犬の登録があったが、未登録の犬や猫などの総数はわからない。国と福島県は共同で警戒区域内の犬と猫約700匹を保護したが、区域外を含めて官民の多くの団体が活動している。

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