40代が注目する「パラレルキャリア」 複数の顔持ち、豊かな人生40代・惑いの10年 一歩前へ

本業の仕事はもちろん、働き方を工夫して、本業以外の社会活動にも積極的にかかわる。40代でこうした「パラレルキャリア」を実践する人が目立ってきた。経済環境や家族のありようの変化などを契機に、しっかり自分を見つめ直し、より豊かな人生を求める。新しい働き方、生き方のヒントになるかもしれない。

4時に起き準備

「3、4月はPTAの行事で3日ずつ休みます」。大手電機メーカーで営業担当の部長代理を務める高橋祥彦さん(41)は2人の小学生の父親で、今年度に続き、来年度もPTA会長を務める予定だ。地元の男女共同参画活動や特定非営利活動法人(NPO法人)ファザーリング・ジャパン(東京都文京区)などの活動にも取り組む。私的な活動も上司に報告し、全社員が閲覧できるネット上の予定表にすべて書き込む。

複数の活動を行うために重要なのは朝の時間。毎朝4時に起き、活動の連絡や情報交換をメールで済ませ、本を読み、一日の仕事の優先順位と段取りを決めて出社する。始業の約1時間前には仕事を始める。意識するのは効率だ。

3年前までは会社中心の生活で、平日は子どもの寝顔しか見なかった。ある週末、外食店で4人席なのに1対3で向き合ったときは「自分だけ別のようでショックだった」。翌朝、「パパは怒ってばかり」と子どもの気持ちを代弁した妻の手紙が食卓に置かれ、子どもとの関係を見直そうと決めた。仕事の効率を上げ、週に1、2度は定時退社し、子育てや働き方の勉強会や講演会に足を運んだ。仕事との向き合い方で上司とぶつかることもあったが、今は理解も得て、昇進も果たした。

妻は家を守り、夫は仕事に全力投球――。こんな家族像が高度成長期には一般的で、今の40代はそんな父親の背を見て育ってきた。だが今の40代は会社だけの自己実現ではなく、仕事で成果を出した上で別の世界も求める「脱滅私奉公」を公言し始めている。

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