永井さんはJTの社員食堂を訪れ話し合ううちに、互いの企業で社会貢献活動の告知や、やり方などの情報を交換することになった。「社食という共通のテーマから、社内だけでなく業界を超えて話が広がった」と永井さんは語る。

一見時代遅れにも見える社食。だが、新しいつながりをつくる場として、進化しているようだ。

多様な社員まとめる場に
一橋大学大学院商学研究科・守島基博教授の話
欧米の企業では通年採用や中途採用が多く、その年に採用された人を集め、会社の方針を共有したり、互いに知り合ったりする場を設けるのが人事部の仕事となっている。バラバラな「個」をまとめて組織力を高めるのが狙いだ。
新卒の一括採用が普通だった日本では、組織力の開発にほとんど配慮してこなかった。だが、近年は中途採用やいろいろな雇用形態の人が増え、社員間のつながりが希薄化する半面、仕事はチーム力を必要とする場面が増えた。
組織力を高める入り口として社員食堂は期待されている。活用するには上からの押しつけや本業に近すぎる勉強会などは適さない。例えば環太平洋経済連携協定(TPP)や消費税など、社会の大きな流れなどを主題にした勉強会なら活発な議論も期待でき、つながりが生まれやすい。