楽天では、もう一つ、「ランチミーティング」という仕掛けを設け、社食の活用を進めている。入社間もない社員は、自ら初対面の社員に社食で昼食を共にするよう申し込む習慣があり、その内容を関係する上司などにメールで送る。

「世話になる先輩の話をたくさん聞いておけ」。研修でそう指導された菊川道一さん(25)は入社から1年弱の間に関連部署の先輩ら50人と昼食を共にした。

「社内に顔見知りや人脈をつくれば、仕事はやりやすくなる」と話すのは取締役常務執行役員の杉原章郎さん。創業時5人だった会社が成長し、複数のオフィスに分散した時、意思疎通をよくするために始めた。同社は3月に福岡、4月には大阪の支社に、社食を新設する。

業界超え交流も

社食の活用が、ビジネス上の付き合いのない社外の人たちとの思わぬ交流に発展することもある。

アフリカの子どもたちを支援しよう――。特定非営利活動法人(NPO法人)テーブル・フォー・ツー・インターナショナル(TFT、東京都港区)は、企業の社食で特定の健康メニューを選ぶと、代金から20円をアフリカの学校給食支援のために寄付する仕組みをつくり、現在、252社に導入されている。

「このレシピ、ぜひうちの社食でも作りたいのですが」。ポーラ・オルビスホールディングスCSR推進室の永井綾子さんは昨年、日本たばこ産業(JT)からこんな申し出を受けた。ポーラがTFTの活動に賛同して提案した女性向けの低カロリーメニューに目が留まったという。