社食で交流広がる 楽天は同好会、三菱商事は夜間居酒屋…

社員食堂がコミュニケーションを養う場として生まれ変わりつつある。忙しい社員のために早くて安い食事を提供する場から、最近は社内の交流や勉強会の場としての活用も進む。労働環境の変化とともに、会社への帰属意識は希薄になっており、社員食堂は社員のつながりを強める一助として期待されている。

三菱商事の社員食堂は夜間になると、部署を超えた勉強会の後の懇親会や、プロジェクト終了後の打ち上げなどでにぎわう。社食には居酒屋になる和食店もあり、社員間の交流の場として活用されている。

同社は2002年に廃止した社員食堂を09年に復活した。再度、社食を設けるにはコストもかかったが、「社員の人種、性別、雇用形態などが多様化し、働きやすい環境をどう整えるかが大きな課題」(人事部の中村一剛さん)となっているなかで、社員間のコミュニケーションを深めるために、再び社食を設けることになった。

企業も社員も、社食を使った社員間の交流を生み出す仕掛けづくりに余念がない。

社員食堂で昼休みを利用してミーティングを開く楽天のリーディングサークル(東京都品川区)

「もっと手首を柔らかく、早く動かして」。2月中旬の昼休み、楽天の社員食堂では「和文化研究会」に所属する12人ほどが集まり、桜もちと抹茶を楽しんだ。茶道の心得のある女性が初参加の男性に茶せんの動かし方などを教える。「初めて来てみた」と、昨秋に中東で現地採用された開発部のレオ・ルイスさん(28)。編成部の天童理英さんは「普段知り合わない部署の人とも話せて刺激になる」と話す。

社食の別の一角では、本を紹介し合う同好会「リーディングラボ」に所属する10人の社員が昼食をとりながら、本を手にしていた。「興味のある本を紹介し合うのが目的だが、それぞれの部署の活動などを、やりとりすることも多い」と開発部の安井卓さん(34)は語る。

「昼休みは時間が決まっていて集まりやすい。社食なら場所代がかからず、近くて便利」と、同社のカフェテリア委員として社食の活用を進める高橋佳代子さんはいう。まるで大学の学生食堂のような雰囲気だが、こうした共通の興味や課題といった軸がある方が初対面でも話しやすいという。

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