旅行・レジャー

京都ここだけの話

京都人って、やっぱり意地悪? 京都本の正しい読み方

2012/2/2

■鏡のような街、京都

大企業からベンチャーまで、数多くのトップが集まった賀詞交換会。人づき合いで鍛えられるのが京都だ(1月5日、市内のホテルで)

太郎 情報を振り回すのは良くない、ということに思いが至りました。

部長 もっといえば、下手な京都論や京都人論を振りかざしても、得るものはないとアドバイスしておこう。転勤族として働く者の基本だが、特に京都はそうだ。

太郎 でも、つらいことが続くと、つい勤務地の悪口や文句のひとつも言いたくなりますよ。

部長 ははは、たしかに「だいたい京都って街は……」「京都人は……」なんて言葉が口をつくのは、嫌なことがあった時だろうな。

京子 当たり前ですけど、京都人といっても性別や職業、肩書、経済力、京都以外で暮らした経験の有無、さらには親の職業や教育などによって、様々ですもの。

部長 その通りだ。冷静にならないといかん。日本論とか日本人論もそうだけど、とかくデカい話というのは「底が浅い」「軽い」と見られるリスクと背中合わせだ。

太郎 特に歴史のある街だと、そうなんでしょうね。

部長 思うに京都は鏡のような街だな。常にこちらが試され、問われているんだ。「京都は意地悪でイヤ」だと思えば、鏡と同じように無視すればいい。でも真摯に向き合えば、人づきあいをはじめ仕事の面でも必ず鍛えてもらえる。要は本人の態度次第なんだ。

京子 狭い街ですから、噂はすぐ広まりますし。私も実家が商売をしているので分かりますが、「口は災いのもと」「人を呪わば穴二つ」とか「金持ちケンカせず」なんて、リアリティーがありますもんね。

太郎 梅棹忠夫さんの本に「京都人の人間関係のルールは千年来の都市生活がうみだした行儀作法の体系」という言葉がありました。

部長 よくネタにされる「前の火事は応仁の乱」という話も、実は味わい深い時間認識だ。京都本の面白みは数十年のギャップでも感じられたけど、京の都は千年だろ。社会の激変期とよくいわれるが、明治維新後の近代国家だってたかだか140年程度だ。世界観とは大げさだが、自分の尺度、世の中に対する理解は正しいのかと、常に自省しながら成長できる、またとない勤務地だ。

太郎・京子 肝に銘じます。

(京都支社 瀬崎孝)

次回は2月16日に更新します。

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