京都人って、やっぱり意地悪? 京都本の正しい読み方

観光情報や歴史、文化、風俗、そして人々の気質まで紹介する「京都本」。不況続きの出版業界にあって数少ない人気コンテンツですが、妙なイメージや“悪評”を増幅する傾向も。正しい読み方を身に付ける必要があります。

【登場人物】
東太郎(あずま・たろう、30) 中堅記者。千葉県出身。人生初の「関東脱出」で京都支社に転勤し半年。取材時もオフの日も突撃精神で挑むが、時に空回りも。歴史嫌いにならなかったのは、教科書や学習マンガではなくゲーム『信長の野望』シリーズのおかげだと思っている。
竹屋町京子(たけやまち・きょうこ、25) 支社の最若手記者。地元出身、女性ならではの視線から、転勤族の「知識の穴」を埋める。疲れたときはボロボロになった絵本『ぐりとぐら』を書棚から引っ張り出す。
岩石巌(がんせき・いわお、50) 支社編集部門の部長。立場上、地元関係者との交遊も広く、支社で一番の「京都通」を自任する。甥っ子の大学入学祝いに図書カードを10万円分用意した。 (登場人物はフィクションです)

「京都=いけず」本が多いけど…

岩石部長 特ダネも出るようになったし、京都暮らしにもようやく慣れてきたってところか。

東太郎 何かに追われるように「京都本」を読みあさった日々が懐かしいです。最初はおっかなびっくりでしたから。

竹屋町京子 「京都らしい店に連れてって」と頼まれてイラッとするようになったら、もう立派な京都人ですよ。

部長 ははは。頭でっかちは良くないが、足らざるを埋めようとする姿勢は好ましいな。

太郎 京都人気質について「いけずな人が多い」と説明しているのが目に付いて、正直びびってました。転勤前に「面倒な街だから」と脅す人もいましたし。

部長 いけずって、意地悪ということだな。たしかに「錦小路の散歩など、野暮(やぼ)な観光客がすること」なんて記述に出くわすと、ドキッとして身構えてしまうもんな。

京子 エッセーやマンガに多いんですが、京都本を書いている京都人が悪のりしているというか、ハードルを高くしている面もあると思います。

部長 つい読んでしまうけどな。

京子 京都に関する本はたくさん出ていますが、実は京都の人がよく買うそうです。地元最大手の大垣書店の担当者によると「一時ほどではないが、出れば売れる」そうです。

太郎 どう書かれているか、気になるというのもあるんでしょうけど。ここ数年は新書、文庫サイズのコンパクトな本が伸びていると聞きました。「手っ取り早く、でもきちんと知りたい」というニーズに応えているそうです。

部長 でも京都の人なら、地元のことはよく知ってるんじゃないのか?

京子 それがそうでもなくて。カフェでもバーでも、知ってるエリアは限られているから、網羅的なガイドは喜ばれるんです。

部長 なるほど。

京子 ましてや歴史や文化は苦手な人も多いですから。業界では次は「骨董入門」「古道具入門」あたりが出版されるかも、と噂されていますよ。