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ニホンVSニッポン 「日本」の読み方、どっちが優勢? 東京ふしぎ探検隊(18)

2012/1/4

■歴代首相は「ニホン」か「ニッポン」か

「党として『ニッポン』と読むか『ニホン』と読むか、統一はしていません」。確かに、野田佳彦首相は就任時の会見で「ニホンを元気にする」と語っていた。菅直人前首相も会見では「ニホン」と話していたが、民主党のテレビCMでは「元気な日本(ニッポン)を復活させる」と力を込めていた。読み方は個人による、ということなのだろう。

自民党はどうか。過去の国会答弁や会見を改めて見てみると、小泉純一郎元首相は「ニッポン」と「ニホン」、どちらも使っていた。国会で力強く「ニッポン」と叫ぶこともあれば、靖国参拝時の会見で「ニホン」と繰り返したこともある。

2009年の閣議で呼称は「どちらでもいい」と決めた麻生太郎元首相は、CMでは「ニッポン」と言い、著書は「とてつもない日本(ニホン)」。安倍晋三元首相は「ニッポン」が多いようだ。

ちなみに日本国憲法はどうなのか? 内閣法制局に聞いてみた。「よく聞かれるのですが、読み方については特に規定していません。ニッポンでもニホンでも構わない、というのが実情です」とのことだった。

■スポーツでは力強い「ニッポン」

東京五輪の開会式で入場行進する日本選手団。プラカードは「JAPAN」だがユニホームには「NIPPON」と書いてあった(1964年10月、国立競技場)=共同

一般的に「ニッポン」は力強く、「ニホン」は柔らかい、といわれる。スポーツの応援で「ニッポン」が使われるのはそのためだ。オリンピックでは「JAPAN」がプラカードにもユニホームにも使われているが、日本が初めて参加した1912年(明治45年)のストックホルム五輪では、プラカードは「NIPPON」だった。1964年(昭和39年)の東京五輪ではユニホームに「NIPPON」と書かれていた。

その東京五輪でニッポンの名を世界に知らしめたのがバレーボール。多くの競技が「ジャパン」を使う中で、バレーボールでは今も「ニッポン」にこだわる。ユニホームは国際ルールに従い「JAPAN」に変わったが、愛称は全日本男子が「龍神NIPPON」、女子は「火の鳥NIPPON」だ。日本バレーボール協会では「バレーボールといえばニッポン、というイメージがあるので」と話していた。

ミュンヘン五輪男子バレーボールで金メダルを獲得し、喜ぶ松平康隆監督。このころはまだユニホームに「NIPPON」と書いていた(1972年)

ただ、バレーボールを除くと、英文表記ではNIPPONよりJAPANが好まれる傾向にあるようだ。サッカー日本男子は「監督名+ジャパン」という呼称が広く使われ、女子は「なでしこジャパン」。野球ではワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の愛称が「SAMURAI JAPAN(通称・侍ジャパン)」だ。ちなみに男子ホッケー日本代表の愛称は「さむらいJAPAN」。野球より先に命名し、商標登録もしたが、知名度では苦戦しているようだ。

スポーツではないが、雑誌でもNIPPONからJAPANへの流れが見られる。蓮舫行政刷新相が登場したことでも話題となったファッション誌「VOGUE JAPAN」は2011年5月号から雑誌名を変更。かつては「VOGUE NIPPON」だった。

国の名前という基本的なところで2つの読み方が共存して違和感がないことについて、早稲田大学の笹原宏之教授は「多様性をいとわない日本人らしさの表れ」と指摘する。日本語の懐は深い。

(電子報道部 河尻定)

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