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しめ飾り、大阪と東京でこんなに違う

2012/1/6

東京で主流の輪締めタイプのしめ飾り

「大阪風」の定義は難しいかもしれないと頭を抱え始めたところ、森さんが助け舟を出してくれた。「調査不足かもしれませんが、大阪でしめ飾りというと、この形になります」

写っていたのは右が太いごぼう締め型だった。「関東などに多い、扇やエビなどいろいろなものが付いているしめ飾りに比べるとシンプルで、実質本位という印象ですね」

◇            ◇

起源を探りたいと思い、京都大学こころの未来研究センター教授(宗教学)の鎌田東二さんを訪ねた。

「アマテラスが天の岩戸から引き出されたとき、二度と戻れないようにフトダマが戸をふさいだと日本神話にあります。そこで使った『尻久米縄(しりくめなわ)』がしめ縄の始まりとされます」とのことだった。

ごぼう締め型が大阪に多い理由について「はっきりした文献がないので推測になりますが」と前置きしたうえで、分析してくれた。

ごぼう締め型と縄を輪にしたような型では、ごぼう締め型の方が古くから存在した可能性が高い。大阪ではそれを残そうとする伝統の力が働いたのではないか。

続いて縄の太さの問題。原則として南に向かって建てられる神社にとって、日の昇る東、つまり左側が上位となる。「すなわち参拝者から見れば向かって右側に、しめ縄の綯(な)いはじめ(太い部分)を置くのが一般的です」(鎌田さん)

変わっていると感じた大阪伝統のしめ飾り。実はオーソドックスなものだった。

(大阪・文化担当 中野稔)

[日本経済新聞大阪夕刊いまドキ関西2012年1月4日付]

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