しめ飾り、大阪と東京でこんなに違う

昨年末、大阪の街でしめ飾り(正月飾り)が目に入った。しめ縄が横に伸び、そこにダイダイなどが付いている。大阪で生まれ育った会社の先輩によればこの形が関西風という。関東でよく見かける縄の部分が輪になったものと形が異なる。大阪伝統のしめ飾りにはどんな特徴があるのだろうか。

大阪伝統のしめ飾り。40年のキャリアを持つ島袋信夫さんは、昔から出回っていたものをまねて作るようになった(大阪府豊能町)

大阪府豊能町で約40年にわたってしめ飾りやしめ縄を作っている「注連縄職人」を訪ねた。しめ飾りは年間8万個を生産している。

「うちで作っているものの9割はこの形かな」。代表の島袋浩二さんは大阪の街で見たものと同じ形の商品を見せてくれた。縄の部分は向かって右側が太く、左側にいくほど細くなる。

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ごぼうに似ていることから、縄自体は「ごぼう締め」と呼ばれることが多い。浩二さんの父親で40年のキャリアを持つ信夫さんによると、昔からこの形が出回っていたため、見よう見まねで作るようになったという。縄の形に合わせてごぼう締め型のしめ飾りと呼んでみたい。

ほかの地域はどうなのか、調べていたところ、耳寄りな情報に出合った。三重県伊賀市の伊賀鉄道上野市駅に毎年、長さ約2メートルの「関西風のしめ縄」が飾られるとのこと。地域おこしグループ「伊賀地域研究会Be」が地元繁栄の願いを込めて寄贈している。

関西風とはどのようなものか。グループ代表の池沢基善さんに聞いてみた。

「向かって右側が太いしめ縄です。同じ三重県でも伊勢地方は左側が太い。伊賀は文化圏としては関西なので、しめ縄でもそれを示したいと考えました」。しめ飾りに関しても、伊勢、伊賀ともにごぼう締め型が主流だが、伊勢は左が太く、伊賀は大阪と同じで右が太いという。

全国にはどんな形があるのか。各地のしめ飾りを調べ、絵本「しめかざり」にまとめたグラフィックデザイナーの森須磨子さんを東京の自宅に訪ねた。

「想像以上にたくさんの種類がありますよ」。森さんは各地の写真を次々と見せてくれた。例えば京都。竜が玉を抱いた形をイメージしたものもあれば、江戸時代に流行した大道芸「ちょろけん」をモデルにした変わり種もある。