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歴史博士

民衆の思い積んだ行基の十三重 土塔(堺市) 古きを歩けば(15)

2012/1/10

堺市郊外の住宅地に、瓦で包まれた奇妙な小山がそびえ立っている。土で築いた階段状の仏塔、土塔(どとう、国史跡)だ。奈良時代の僧、行基が故郷の和泉監大鳥郡に築き、全面が瓦で覆われていたという、国内に類例がほとんど無い珍しい遺跡だ。

往時には7万枚の瓦

堺市にある国史跡・土塔。ピラミッドの頂部を切り取った形をしている

ピラミッドの頂部を切り取った形状をしており、一辺約53メートル、高さは約9メートル。麓から頂部まで13の段が重なる「十三重塔」で、土を盛り上げ、往時は7万枚を超す瓦で表面を覆っていたとみられる。発掘調査では庶民を中心に幅広い層の名を刻んだ瓦が出土。多くの人々がこの塔の建立に携わった様子が浮かび上がった。


頂部に八角形の堂宇か

西面と南面は、推定で7万枚を超す瓦が土盛り表面を覆っていた築造当時の姿が復元されている

3年前、西面と南面が築造時の姿に復元された。周囲には盛り土の工法がよく分かる土層断面や、瓦の破片が散乱していた発掘時の状況などを再現した展示コーナーが設けられ、一巡りすると遺跡の概要を知ることができる。頂部には八角形の堂宇があったと推察されているが、復元はされていない。日本の寺院でよく見る木造の五重塔などとはかけ離れた姿で、東南アジアで見られるストゥーパを思わせる。

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