「もう一緒に暮らせない」ある日突然、夫婦の危機40代・惑いの10年

厚生労働省の人口動態調査を見ると、40代の離婚率はじわり増加している。全体の離婚率が02年以降、減少傾向にあるなか、45~49歳の女性は07年以降、4年連続で増加、40~44歳の女性も3年連続で増えている。45~49歳の男性も07年から3年連続で増加し、10年は横ばいだった。

夫婦問題のカウンセリングに参加する女性たち(東京都新宿区)

夫婦カウンセリングを手掛ける東京カウンセリングサービス(東京都世田谷区)の臨床心理士、木村淳子さんは「雇用機会均等法以降に社会人になった40代女性は家庭でも平等意識が強く、夫にも応分の育児・家事の負担を望む傾向が強い」と話す。

一方、「昭和半分、平成半分を生きてきた40代男性は、アタマでは男女平等とわかっていても、親世代の家庭の性的役割分担意識が捨てきれず、適応しきれない人が多い」(木村さん)。この意識のズレが離婚につながりかねない。

昨年9月に離婚したCさん(47)は「自分も働かなければ生活が厳しかったが、夫(42)には家事や子育てに協力する気がまったくなかった」と振り返る。

子どもが熱を出しても「自分は休めない」の一言で終わり。夫が保育園に送る担当の日に、「行きたくない」とぐずる子どもを、「仕事に間に合わないから」と、1人家に残して出かけたこともあった。休日はCさんが家事や育児をしていても寝ている。そういう一つひとつをCさんは「受け入れられなかった」。

特定非営利活動法人(NPO法人)ファミリーカウンセリングサービス(東京都新宿区)の主任カウンセラー荒木次也さんは「男性が子育てに積極的に参加しないと、家庭や育児に対する当事者意識が薄いままになってしまう。それに対して不満を持つ女性は少なくない」と指摘する。

追い詰めないで

ただ、「女性も相手の大変さをわかろうとしたり、感謝したりする余裕がないと男性を追い詰めてしまう」と木村さんは警鐘を鳴らす。「がんばっているのは自分だけじゃないと考え、相手が大事にしている価値観を認め合うことが大切」という。離婚して1年たった今、Cさんは「自分もわがままだった。私のちょっとした言い方や伝え方で、二人の関係は変わったかもしれない」と考える。

現代家族問題研究所(東京都千代田区)の代表、円より子さんは「昔は男女とも結婚に対する諦めがあったが、今は夫婦関係に対する期待が高い」と話す。「男女とも自立してお互いを思いやるという基本に立ち返って」と助言している。

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