「もう一緒に暮らせない」ある日突然、夫婦の危機40代・惑いの10年

会社では仕事の責任が増し、家庭では住宅ローンや教育費など経済的な負担がのしかかる40代は、ストレスから夫婦仲が悪化しやすいと専門家は指摘する。夫婦ともに相手を思いやる余裕がなくなり、日々の小さなすれ違いが蓄積すると離婚につながりかねない。

「しまったと思った。全身から血の気が引いた」と話すのは、公務員のAさん(46)。妻(46)が離婚を言い出したタイミングは、あまりに突然だった。

ある日、突然…

2009年、Aさんが夏休みの予定を聞くと、妻が「離婚してほしい」と切り出した。理由を問うと「一緒に生活したくない。私はモノじゃない」。妻の言葉に衝撃を受けた。

心当たりは自分の亭主関白ぶりだ。好みでない食事には手をつけない、気分が悪いと話もしない。でも「自分はそういう人間なのでしょうがない」と思っていた。子育ては一段落しているが、マンションを買ったばかりでローンもある。「考え直して」と懇願したが、妻の決意は固く、先月離婚が成立した。

「40代は夫婦の閉塞感がもっとも高まる時期。長引く不況も関係悪化に拍車をかけている」。家庭問題のコンサルティングをする東京家族ラボ(東京都新宿区)の主宰、池内ひろ美さんは指摘する。「住宅ローンに教育費と最もお金がかかる時期に、不況で収入が減ると精神的余裕がなくなる夫婦が多い」

11月22日の「いい夫婦の日」に関するイベントなどを行う「いい夫婦の日」をすすめる会が今年9月、既婚男女800人にアンケートをとったところ、夫婦仲が「とても円満」と答えた割合は40代男性が25%と他世代に比べて低かった。40代女性も22%で50代女性の次に低かった。40代男女の夫婦の平日の会話時間は「30分未満」が最も多い。

「40代夫婦は関係が危機的な状況になっても直接話し合うのを避ける傾向がある」と行政書士の露木幸彦さん。このコミュニケーション不足が、関係をいっそう悪化させることもあるという。ポケベルや携帯電話など連絡手段の変化を実感した世代だけに、大事な話にもメールを使うことに抵抗がない世代。「メールで離婚の詰めをする夫婦さえいる」(露木さん)。

会社員のBさん(46)は家庭内別居がすでに4年続いている。関係悪化の原因は妻の浪費癖。ただ、二世帯住宅に住んでいることや子どもの養育を巡って、簡単には離婚できない状態だ。今では妻と必要な対話はすべてメールで済ませている。「言った、言わないでまたけんかするくらいなら、記録が残るメールの方が楽」と冷めた様子だ。

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