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女性
大手町ホンネガールズ

2011/11/25

大手町ホンネガールズ

楽しそうじゃない男性管理職

体操女子日本代表監督として日本チームを北京・ロンドン五輪に導いた塚原千恵子さん

司会 よく、「女性は男性の3倍働いてイーブン(同等の扱い)」と言われますが、実際そうですか?

山極 そうであってはいけないけれど、そのような風潮はありましたね。

制度もおかしい。例えば、Aの成績をとった女性と、Cの成績の男性がいます。でも妻子がいると、世帯手当、家族手当も加わり、男性の方が給料が高くなることもある。子育て中の共働き家庭だと、家事、育児、プラス夫の世話までしている人もいる。

これでは何倍か働いても、数値が低くなる。昇進形態、福利厚生……。それを1つひとつ変えていったけれど、とてもエネルギーが必要だった。

そもそも管理職に女性がいない。ようやく女性の管理職も増えてきたのですが、問題は最近の女性は管理職になりたがらない。

川崎 (管理職という仕事が)楽しそうじゃないから。女性議員や管理職の比率は、先進国の中でも最低レベルです。女性登用は社風を変えるくらいの大変さで、社長が旗振って、5年くらいはかかる。社内の公用語を日本語から英語に変えるくらいのエネルギーがいる。

でも実際は、管理職に必要なマネジメント能力と別物なのに、営業成績のいい人が管理職になったりする。

山極 近年、管理職がプレイングマネージャーとして業績を上げることに加え、いろいろな責任を負わされているから、部下も人材育成が後回しになっている。本来は部下を育てることが大事なのですが。

宇津木 監督になったとき、初の女性ということもあり、従業員からの風当たりは強かった。でも、当時の工場長が理解のある人で、「頑張ろう」っていつも言ってくれた。そういう存在、「この人のために」と思える存在があると、女性はものすごい頑張る。

ウクライナ人のアリーナ・コジチ(中央)を日本代表のコーチとして招聘したのも塚原千恵子さん

塚原 私もいろいろもめごとがあって、12年間くらい強化の現場から離れたことがある。今、復帰したのはイオン名誉相談役の二木英徳さんが日本体操協会会長に就任した際、声をかけてくださったから。「現場第一主義」という方針を話してくださり、その考え方に心を動かされたんです。もう50歳を超えていて疲れていたんですけど、燃える心がよみがえった。

宇津木 監督は全権を握れるというか、「必ずシドニー五輪の出場権をとるから、全権ほしい」と言った。予算から合宿日程まで、自分のやりたい方針を貫いた。その姿を見て、「この監督は本気だ」って、選手もついてきてくれた。最後はチームのために犠牲になる選手も出てくれた。だから、シドニーの銀があり、アテネに続き、北京の金につながるんです。

司会 全権を握り、自分のビジョンを具現化するのは、管理職の醍醐味ですよね。

宇津木 そのかわり、成果は出さないとダメですよ。

山極 企業でもきちんと仕事で結果を出すことはとても大事です。

塚原 成果がないと話は聞いてもらえない。1つ成果を上げた結果、1つ意見が通るんです。

宇津木 犠牲も多かったし、ここまでいろいろ開拓してきたから、後は若い子に逃げずに後に続いて頑張ってほしいと思いますね。

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