働き方・学び方

ダイレクトメッセージ

家に仕事は持ち込まない 弘兼憲史 漫画家

2011/11/22

仕事は自宅から離れた仕事場で完結させる。スタッフと連日深夜まで働く

このコラムの第1回でワークライフバランスなんて考えていないと書きました。人生の大半を仕事漬けで過ごす日々ですが、せめて自宅にいるときには家族と仕事の話はしないようにしています。家には仕事を持ち込まない、が原則です。

■理想の夫婦とは…

妻は漫画家で同業者です。二人でお互いの仕事の話を始めてしまうと夫婦だから遠慮なく指摘してしまって、むかついたりするかもしれないし、ちょっと恥ずかしくもありますね。

僕の考える理想の夫婦像というのは、途中でけんかをしたり嫌になる瞬間があったりしても、最後にどちらかがどちらかをみとるときに「ありがとう」と伝えられる関係です。「おまえと一緒でよかった」と言えるような最後を迎えたいですね。

家族のことはほとんど妻に任せっきりだったのであまり語る資格はないのですが、子供には「どんな道に進んでもいいけど、人に迷惑はかけるな」と伝えたことがあります。娘と息子、それぞれ自分が好きな道を選べばいいと思って育ててきました。親の希望というのは特になかったですね。

娘が小学生のころ、作文で「お父さんお母さんのような漫画家になりたい」なんて書いてきたことがありました。最初は「おおっ」と思ったのですが、何のことはない、最後の1行に「面白そうだから」と書いてありました。

■娘はゲームのデザイナー、息子は漫画家に

家には仕事を持ち込まない主義なので、どう描くか悩んで頭を抱えていても徹夜で頑張っていても、その苦しむ姿を子どもたちは見ていない。だから子どもたちにとっては「漫画を描いている面白いお父さん」としか映らなかったのでしょう。

結局、娘は美大を卒業後、ゲーム会社でキャラクターデザインを手掛けるようになりました。息子は一度は一般大学に通ったものの、漫画を描きたいと言い出して、卒業後うちのスタジオに入って今は背景などを描いています。僕が言うのもなんですが、身内に成功したプロがいるというのは本人たちにとってはやりづらいと思います。でも自分がやりたいことができているのなら、それでいいと思っています。それ以上望むことは何もありません。

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