「若手の気持ちが分からない」 接し方、研修で学ぶ40代・惑いの10年

ポイントは若手の特質を知ること。「電話応対は若手の仕事。鳴ったら取れ」は押しつけになるので禁物。「待たせては失礼。早く出なさい」も落第点。「『失礼だと思うなら、手が空いている人が取ればいい』と彼らは考える」と講師を務める横田昌稔さん。

正解は「新規問い合わせなら顧客獲得のチャンス。そうでなくても、先輩に電話を取り次ぐことで職場で人間関係を深めるきっかけになる」だという。「自己成長には強い関心がある。どんな利点があるかを説くのがコツだ」

三菱東京UFJ銀行は09年から新任次課長研修に聞き方講習を取り入れた。若手の声に意識的に耳を傾けてもらうためだ。人事部次長の堀田慶一さんは「昔は怒鳴られながら仕事を覚える職場風土もあった。でも今そんなことをしたら若手はついてこない」と話す。

相手に合わせる

損害保険ジャパンは今年5月に部下との接し方がうまいリーダー職(課長クラス)96人を「人材育成マイスター」に認定した。リーダー職約1900人を候補とし、全社員約2万2千人が投票して選んだ。マイスターの特徴は親近感を持て相談しやすいなどだ。

神奈川自動車営業部第二課の黒田康晴課長(43)もマイスターに選ばれた。部下は13人。ほとんどが30歳以下だ。忙しくても平等に時間を割き、一人ひとりに話しかけて、きちんと聞くことを心掛けている。

実は07年の課長昇格までは怒鳴るのもいとわない先輩として恐れられていたという。しかし管理職になり意識を切り替えた。「怒鳴って無理にやらせればその場は結果が出るが、継続しない。気質が変わったのであればそれに合わせるのが管理職の役割」

職場環境の変化は著しい。少ない人員で効率的に働くことが求められる。人材コンサルティング会社のクオレ・シー・キューブ(東京都新宿区)代表取締役の岡田康子さんは「職場でコミュニケーションに割ける時間は減った。昔ながらのやり方では互いに理解するのは難しい」と強調する。

(編集委員 石塚由紀夫)

読者の皆様のコメントを募集しています。コメントはこちらの投稿フォームから
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら