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新進監督が台頭した「アジアの風」部門

東京国際映画祭リポート(6)

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東アジアから中東までの作品を取り上げる「アジアの風」部門。今年は長編映画を作ってまだ1、2作という新進監督が目立った。しかも見応えのあるものも多く、大きな潮流の変化を実感した。

とりわけ東南アジアの充実ぶりが目立った。近年、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督やフィリピンのブリランテ・メンドーサ監督らがカンヌ国際映画祭などで主要賞を獲得。国際的に東南アジアの映画が注目される中で、彼らに続こうと若手監督らが活気づいている。今年の「アジアの風」部門でその象徴とも言えるのが、「フィリピン最前線~シネマラヤの熱い風」と題したフィリピン映画の特集だろう。

残念ながら日本の映画館でフィリピン映画を見る機会は限られているが、フィリピンはアジア有数の映画大国だ。シネマラヤ・フィリピン・インディペンデント映画祭(略称シネマラヤ)は、その名の通り年に一度のインディペンデント映画の祭典。「バラエティーに富んでいて質も高い。今やアジア映画の台風の目」(「アジアの風」プログラミング・ディレクターの石坂健治氏)という。

今年のシネマラヤのグランプリ作品でもある「浄化槽の貴婦人」は、貧困をテーマに映画を撮ろうと計画した3人組が主人公。3人は「貧民街の子だくさんの母親が金に困り、幼い息子を小児性愛の外国人のもとに連れていく」という脚本を書く。金持ちの外国人から見た"アジアの貧困"のイメージを逆手に取ろうとする3人のあざとさ、実はプール付きの豪邸に住む主演女優。笑いと皮肉を効かせ、「劇中劇」の表現手法もユニークな快作だ。マーロン・N・リベラ監督は舞台演出を経てこの作品で映画監督デビューを果たしたという。

 またインドネシアの「カリファーの決断」は長編2作目というヌルマン・ハキム監督の作品だ。美容院で働く若い女性が貧しい実家を助けるため、やり手セールスマンと結婚。信仰心のあつい夫の求めに従って頭髪をスカーフで隠し、流産を機に全身を覆う黒いニカーブを身につけるようになる。インドネシアは世界で最も多くのイスラム教徒がいる国だが、ヒロインがニカーブを着けた途端に人々の視線は変わり、「テロリスト」と罵声を浴びせる。ハキム監督はインドネシアの今と女性の心の機微を素直に描き出した。

東南アジア以外に目を向けると、イラン映画「嘆き」は前評判通りの力強い作品だった。聴覚障害を持つ夫婦と、事故で両親を亡くした少年の3人が葬儀のためテヘランへ向かうロードムービー。ハンドルを握る夫と助手席の妻は障害によってはっきりとした発声はできない。だが、夫婦の手話と読唇による矢継ぎ早の会話は"マシンガン・トーク"そのものだ。いさかいにまで発展する会話によって、彼らのたどってきた半生が鮮やかに浮かび上がる。モルテザ・ファルシャバフ監督もこれが長編デビュー作だ。

また中国のワン・ビン監督作品などで撮影監督を務めた「ここ、よそ」のルー・シェン監督、現代中国の拝金ぶりを風刺した「備えあれば」のシュー・チュアンハイ監督も今作でデビューした新顔だ。

一方、日本の漫画や小説を題材にしたアジア映画も上映された。カンボジアのリティー・パニュ監督は大江健三郎の「飼育」をベトナム戦争中のカンボジアを舞台に翻案して映画化。またシンガポールのエリック・クー監督は「劇画」というジャンルを切り開いた漫画家・辰巳ヨシヒロの自伝的作品を「TATSUMI」のタイトルでアニメーション化した。クー監督は「手塚治虫、水木しげる、辰巳ヨシヒロの3人の先生はシンガポールでも人気。ビンテージワインのような高級感がある。映画を通して辰巳先生のことを広く世界に知って欲しいと思った」と話した。

(文化部 関原のり子)

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