そもそも、便器のサイズには「レギュラー」と「エロンゲート」の2タイプがある(表2)。小さいレギュラーは穴の直径(長径)が32~35センチ、便座の長さが44センチ。大きなエロンゲートは穴の直径(長径)が36から38センチ、便座の長さが47センチ。つまり、穴、長さともにエロンゲートの方がレギュラーよりも数センチ大きい。

かつて、トイレは和式が一般的だったので、同じ間取りのまま、便器だけを洋式に取り換える場合が多かった。そのため、トイレ内が狭く、より小さなレギュラーサイズの方が使いやすかった。「1970年代半ばあたりまで、洋式トイレの便器はレギュラーが主流だった」と平田さんは振り返る。

ところが、レギュラーサイズの便器では男性が使用する際、困った問題が生じる可能性があった。特に大柄な男性にとっては下腹部が便座に触れてしまい、使いにくいのだ。それを防ぐため、先端を切り取ったU型便座が登場したというわけ。

だから、便座はもともとU型が主流だったのだ。

温水洗浄便座がシフトを加速

やがて、70年代後半になると、住宅の改装・新築に際し、トイレ空間をゆったり取る考え方が広がり、より大きなエロンゲートサイズの便器が使われるようになった。エロンゲートならある程度の大きさがあるので、あえて便座の一部を切り取る必要はない。

こうしてO型便座が主役の座をU型便座から徐々に奪い取ったのだ。

「O型の方が成型がしやすいし、丈夫で耐久性も高い。さらに便座を温めるための電熱線も配線しやすい。だから今では圧倒的にO型の便座が増えた」(平田さん)。特に、TOTOが温水洗浄便座「ウォシュレット」を発売した1980年を機に、U型からO型への便座のシフトに一気に拍車がかかったようだ(表3)。

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