ふしぎヒコーキ 夢乗せて 素材こだわり形状工夫ふしぎヒコーキ・インストラクター 飯島実

発泡スチロールを薄く加工した「紙」を三角形に切り出し、先端にマッチ棒をのせる。やさしく前に押し出しながら手を離せば、ゆったり空中を漂い続ける。普通の紙ヒコーキとは違う。「ふしぎヒコーキ」と私は呼んでいる。誰でも簡単に、空気と重力で遊ぶ感覚が体験できる。

(ふしぎヒコーキの映像は、パソコンで右下の写真をクリックするとご覧になれます)

他にも、さおと糸で引っ張って自由に操作できる鳥型ヒコーキや、ドライヤーの風で回転させながら空中で静止する飛行物体、鳥のように羽ばたきながら滑空するヒコーキなど、バリエーションも遊び方も無数にある。私はこれらのふしぎヒコーキをイベントや課外学習などで子供たちに教えるインストラクターとして活動している。

◇            ◇

飛行機より飛行に興味

ふしぎヒコーキを飛ばす飯島実さん。インストラクターとして活動している

ふしぎヒコーキを飛ばす飯島実さん。インストラクターとして活動している

多くの紙ヒコーキ好きと同様、私も幼いころから飛行機が好きだった。ただ、飛行機そのものより、モノが飛んだり浮いたりする現象に興味を示す子供だったようで、空を飛ぶ鳥や昆虫、父が吸うたばこの煙などをいつまでも飽きずに眺めていたものだ。

東京の高校を卒業し、選んだ進路が運輸省航空局の養成機関。1970年に修了し、松本や羽田、成田、種子島、伊丹、さらには東京ヘリポートや航空保安大学校、航空局、北海道の中標津や南紀白浜など、全国の空港や施設に異動を繰り返した。

本格的に紙ヒコーキにのめりこんだのは、まだ建設中だった成田空港で洋上の国際線の航空機を相手に交信する仕事をしていたころ。科学雑誌の付録を何気なく手に取り、ものの見事にのめりこんだ。

当時は住む人も少なかったニュータウンの住宅で紙ヒコーキをいくつも作り、休日になると早朝から造成地などでいつまでも飛ばし続けていた。エンジン付きのラジコンも経験したが深入りはできなかった。やはり静かに空気と遊ぶ感覚が好きなのだ。

注目記事
次のページ
植物の種子に敗北感
今こそ始める学び特集