2011/9/6

職場の知恵

1歳の子どもがいる高橋芳雄さん(46)もそんな一人だ。バブル期だった20代からよく海外に出掛け、バブル崩壊後も独身なら経済的な余裕があった。「結婚して家族に縛られたくない」と思っていたという。

転機は42歳だった。網膜剥離で2週間入院し、仕事に支障も出た。改めて人生を見つめ直し、44歳で結婚。「今は家族が健康で平安に暮らせるよう守っていきたい」。子どもと体操教室などに積極的に参加する。

ただ、40代は一般に職場での責任が増し、忙しい時期だ。そこに慣れない育児が重なる負担は軽くない。

NHK放送文化研究所の「国民生活時間調査」によると、仕事を持つ40代男性の平日の仕事時間量(10年)は平均9時間23分。年代別で最も長く、1995年に比べ47分も増えた。30代が13分、50代が30分増えたのに比べ著しい増加だ。専任研究員の小林利行さんは「(前回調査の)05年までは最も長く働くのは30代だったが、10年から40代になった」という。

定年まで短く

人生設計も変わってくる。ファイナンシャルプランナーの平野泰嗣さんは「定年までの時間が短く、その間で教育費と老後資金の両方を準備しないといけないのが苦しい」と指摘。さらに「結婚や出産というタイミングで家計に向き合う人が多いので、そのタイミング自体が遅くなると、それまでにしっかり蓄えられていない場合もある」と話す。

40歳の岡村浩志さんは5歳の息子に毎朝、幼児用の学習教材を15分程度やらせ、絵本も積極的に読み聞かせる。理由は「将来の教育費ができるだけ抑えられるように」だ。教育費は毎月貯金しているが、「収入はもう右肩上がりではなく、相当厳しいと思う。塾の費用を抑えても大学までは入れるようにしたい」。