「君に仕事を用意できない」と言われて…40代・惑いの10年(上)

2011/9/5

職場の知恵

自費で大学院に通う大久保通博さん(東京都目黒区の産業能率大学代官山キャンパス)

不惑といわれる40歳。ただ、平均寿命が長くなった日本では、40代はまだ人生の折り返し地点だ。上の世代と若い世代の価値観にはさまれ、職場や家庭では難しい立場に置かれ、悩みが噴出している。今年から団塊ジュニアが40代に入る。今の40代の行動、考え方、悩みを探り、日本の生活者が抱える問題点と将来像を考える。

「君に仕事を用意できない」。リコーに勤めるAさん(47)は7月上旬、上司にこう告げられた。「遠回しの言い方だが、希望退職のすすめと受け止めた」

大学工学部を卒業。技術職として入社した。「業績が悪化し人員を削減すると聞いていたが、メーカーに技術者は不可欠。営業職や間接部門が対象だろうと高をくくっていた」

面談は4回に及んだ。会社に残っても業務見直しで関連会社に出向となり、減収は確実。1千万円以上退職金を割り増しするから今が辞め時だとほのめかされた。それでも退職は固辞した。子どもは小学生。見通しがないまま辞められない。

「結局我々甘い」

リコー本社が大幅に人員削減するのは創業以来初めて。社員を大切にする社風を知っていただけに、今回の退職のすすめはAさんにとって想定外だ。「団塊世代など上の世代ほど猛烈に働いていないし、若い世代ほど専門性を磨くのに熱心でもなかった。結局我々の世代は甘いですね」