コンビニ弁当、前より長持ち?

「コンビニエンスストアの弁当を安全に食べられる期間が長くなっているそうよ」。近所の主婦が事務所に寄った。食事の大半を弁当で済ませる独身の探偵、松田章司は「大丈夫なのかな」ともらし、小学生の伊野辺詩音と背景を探り始めた。

都内でコンビニ大手ローソンの店に入った2人は「ろーそん亭」と書かれた丸っこい容器の弁当を見つけた。「親子丼やカレーなど色々。ちょっと冷えてる」

添加物に頼らず

低温保存することで賞味期限を延ばした「ろーそん亭」(東京都品川区のローソンゲートシティ大崎店)

「食べるときは電子レンジで温めてください」。同社の岩崎広幸さん(38)が声をかけてきた。以前からある弁当の保存温度は20度前後だが、今年発売したろーそん亭はチルド(冷蔵)状態の5度前後。安心して食べられる消費期限は製造から約2日半で、20度保存の弁当より1日長い。「添加物には頼っていません」

多くの食品は消費期限か賞味期限の表示を法で義務づけられている。消費期限は弁当、総菜などせいぜい5日程度しかもたない食品、賞味期限は即席めんやスナック菓子のように数週間や数か月もつ食品が対象になることが多い。消費者庁の今川正紀さん(41)は「いずれもメーカーが決める例が目立ち、その際は理化学試験など客観手法を使うよう求めます」と話す。

ビビンパ弁当を買った女性会社員(27)は「食べ損ねても冷蔵庫に入れれば無駄にならないかも」と歓迎する。詩音はメモした。「食べ物を捨てるのはもったいないというわけね」

「そうした消費者の心理は3月11日の東日本大震災で強まりました」。食品の表示に詳しい日本大学教授の清水みゆきさん(50)が解説した。裏付けは森永乳業が20~40代の主婦400人を対象に震災前の3月上旬と、震災後の5月中旬に実施した調査の結果だ。

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