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ライフコラム
エコノ探偵団

2011/8/8

エコノ探偵団

企業・大学前向き

内閣府の「社会意識に関する世論調査」では「社会のために役立ちたい」と思う人の割合が05年ごろから増え始め、今は7割程度を占めている。環境問題や社会の格差に関心が集まったのもこのころだ。

大学や企業も積極的に支援する。02年に早稲田大学は「ボランティア論」などの講義を開設。明治大学は今回の震災を機に、ボランティア活動の企画や運営を学ぶ授業を始めた。

オフィス機器の富士ゼロックスも震災後、新入社員221人を被災地に派遣した。役に立ちたいとの思いはもちろん、「現地の要望を知ることが、商品開発につながると期待しています」。都会の医師がインターネットで地方の患者を診るシステムなどを開発するヒントを得たいという。

経済学が専門の慶応大学教授の中島隆信さん(50)がまとめた。「ボランティアには仕事の能力向上や人脈づくりという効用もあります」。もちろん、大学や企業にとってはイメージアップにもなる。

報告を終えた章司は所長に頭を下げた。「ボランティアに行きたいので休暇をください」。「頑張ってこい」。所長は快く送り出した。(榎本敦)

<ケイザイのりくつ>豊かになると社会貢献の欲求強く

経済的に豊かになり、欲しいモノはおおむね手に入るようになると、人間は自分のためではなく、環境保護やボランティア活動など社会全体の幸せを考えて行動するようになる。米心理学者マズローは、社会の発展などに伴い、人間の欲求も進化していくと分析した。

先進国の集まりである経済協力開発機構(OECD)が、国民の豊かさを示す指標として考案した「幸福度」。11の測定項目には収入や安全性とともに、社会とのつながりが入っている。成熟した国では、助け合いをはじめ他者と関わっていくことがますます重要になる。

[日経プラスワン2011年8月6日付]

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