なぜ加齢臭は男性が強い 曲がり角は何歳か編集委員 小林明

前回はワキガ臭を取り上げたが、今回は同じ体臭でも加齢臭がテーマ。その発生メカニズムを調べると、ワキガ臭とは異なる不思議な特徴が浮かび上がってくる。

何歳くらいから発生し始めるのか? 体のどの部分からにおうのか? なぜ男性の方がより強いのか? 

そんな様々な加齢臭のナゾを解き明かしつつ、発生を防ぐコツについても紹介する。



最初に図1、2を見てほしい。

これは年齢と加齢臭の関係を示したグラフ。

加齢臭は、40歳を過ぎたころから発生し、年齢が上がるにつれて加齢臭の強さが増すことが分かる。40歳代よりも若い世代ではあまり検出されない。だから「中高年特有のニオイ」として経験的に認識されているのだ。

では、加齢臭とは具体的にはどのようなニオイなのだろうか?



「古い油やロウソクのような青臭いニオイ。もしくは、古いポマードや古本のようなニオイ。そんな様々な成分が入り交じった独特のニオイが加齢臭です」。加齢臭の発生の仕組みや成分などを研究している資生堂ではこう表現している。

加齢臭は、ワキガ臭(硫黄臭、スパイシー臭、脂肪酸臭の3要素で構成)、汗臭、口臭などとは明らかに異なる独特なニオイ。多くの場合、「不快なニオイ」として敬遠されることが多いが、人によっては、それほど嫌なニオイとは感じず、幼年期におじいさんやおばあさんにかわいがられた際の記憶を呼び起こす「懐かしいニオイ」としてとらえるケースもあるという。

そんな加齢臭だが、いったい何が原因となり、どういうメカニズムで発生するのだろうか?