構想から20年… 東京・丸の内はまるでマンハッタン建設ラッシュで一変

2011/7/11

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高層ビルが並ぶ丸の内仲通りはマンハッタンを彷彿させる(東京都千代田区)

日本のビジネスの中心、東京丸の内・大手町周辺。仕事や買い物でこの辺りを歩くと、必ずといっていいほど目にするのが大型のクレーンやトラック。ビルの建設や解体など、常に工事が行われている状態がここ数年続いている。バブル期に構想された丸の内一帯の超高層化はメディアなどから「マンハッタン計画」とも呼ばれていた。今、マンハッタン化は現実のものとなりつつあるかのようだ。地図を片手に現場を歩き回り探ってみた。

インド人もびっくり 9地区で建設中

東京駅、丸の内口から徒歩5分。丸の内仲通りと永代通りがぶつかる丁字路に立つと、三方が工事現場に囲まれる。

かつて東銀ビルヂングと住友信託銀行東京ビル、三菱UFJ信託銀行東京ビルの3棟が建っていた一角には、高さ150メートル・地上27階建てのビルが建設中だ。新ビルにはオフィスだけでなく、商業施設や周辺で働く人向けの託児所も設けられる予定で、かつて低層のビルが3棟並んでいた光景とは全く異なるものに変わる。

永代通りを挟み2つの高層ビルの建設が進む。奥では三井住友銀行大手町本部ビルの解体工事が2月から始まった(東京都千代田区)

永代通りをはさんだ旧富士銀行の本店があった場所では、38階建て約200メートルの超高層ビル(2014年竣工予定)の建設が進んでいる。

さらに丸の内仲通り側の反対では、三井住友銀行大手町本部ビルの解体工事が今年の2月から始まった。地上29階建ての新ビルは日比谷通りをはさんで建つ同行本店ビルの東館という位置付けで建設されるという。長いクレーンが空高く伸び、どこもトラックの出入りがせわしない。炎天下の中で、作業員も大変そうだ。

下の地図を見ていただきたい。現在建設中・解体中は9地区(東京駅を含む)にもなる。ここ5年で建て替え、もしくは建築された建物は7つにのぼる。竣工年もばらついているため、「この周辺は常に工事をしている」(会社員の男性)という印象を持つ人は多い。都内のIT企業で働くインド出身のナイク・シャンティーブーシャンさんは「インドも建設ラッシュだが、東京もすごい。ただ東京は通行人への気遣いもあり、騒音が少ない」と感心する。

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寿命、わずか20年