本当のおしゃれ、決めるのは服より男力
――政治家のクールビズの着こなしですが、総じて評価は低いですね。芸能人はスタイリストがつきますが、政治家、財界人でおしゃれな人はいますか?
B:ベタですけれど、小泉進次郎(衆院議員)は白い半袖シャツに違和感なかった。
A:おしゃれな若者風に「コンサバ」だけれど、きれいに着ているわよね。
――記者が会ったときは、深いブルーのシャツにノータイ、ステッチの入ったカジュアルなジャケットにチノパン。感じ良かったそうです。
クールビズだと、黒のパンツにノーネクタイの白シャツという学生風のファッションに下手をするとなりがちです。「老けた高校生」にならない秘訣はありますか。
A:体を鍛えること。体ができていると何でも似合う。あとは顔つき。「勉強して、本を読め!」ってところですかね。男は女より顔に出る。
C:うちのトップはくたびれた風貌ですけど、ダンディーなんですよ。だから良いと思います。
A:人間力というか、男力が服に勝るタイプっていますよね。
――一目で“超”安物と分かる服しか着ないのに、さわやかで好感度の高い先輩がいます。そういう個性で着こなす域まで行けない、多くの男性は何をどう着ればいいのでしょう。
A、B:本当に何でもいいのよ。それより、サイズが合っていない服を着ている方が気になる。ダブダブのジャケットにダブダブのズボンが多い。
――メタボ体形が気になるようです。
A:鍛えられた体が理想だが、本当のことを言えばオシャレに体形は関係ない。どこを出して、どこを出さないか、自分に似合う服を選んで着ることが大切だから。
D:安い服はいいけど、安っぽいのは嫌です。
A:スーツは戦闘服だから、薄い生地過ぎるとラインが崩れるので注意。
B:自分のスタイルは持っていてほしいですね。
――それが分からないんだと思います。
自分のスタイルを持つには
A:失敗から学ぶしかない。いっぱい買って、いっぱい着て、格好いい人をまねして……。
B:自分に投資してほしい。センスのいい店員のいるデパートのメンズ館やセレクトショップで、フィッティングをプロに任せて一式そろえる。新しい発見があると思う。次から、それを応用して量販店でもファストファッションでも、必ず試着して、自分の体形に合うものを選べばいいんです。
A:きちんとした接客を受けることが大切。似合うものを見つけるのはそんなに難しいことではない。頭のいい人は、すぐ勘所をつかめると思う。最初は違和感があっても、着るうちに慣れます。
D:だまされたつもりで行ってほしい。何を着ていいのか分からないって言えば、親切に教えてくれます。でも、そこまでするモチベーションが必要かもしれない。
B:欧米は「自分をケアできる」イコール「仕事ができる」こと。自己管理まで評価の対象となるから必死よね。
A:スタイルを持つのも能力のうちだから。立場が上がるほど洗練されていく。競争が激しいニューヨーカーは、センスのなさを補おうと体を鍛えるのに必死だし、欧州の人は(コミュニケーションなどの)テクニックやファッションセンスを磨くのよね。