ニッポンの社長、多い名前と出身地は?編集委員 小林明

なぜ「博」という名前の社長が最も多いのか?

この謎を解くには、前々回のコラム(5月27日)で紹介した名前の流行の変遷を参照すると分かりやすい。男性の名前の流行は、時代を追うごとに、清(戦前)→勇・勝(戦時中)→博・茂(戦後)→誠(高度成長期)→大輔(80年代)――などと大きくシフトしてきたからだ(表3)。

表4は日本の社長(男性)の年齢分布(2010年7月、東京商工リサーチ調査)。最も多いのは60~64歳で約23万2000社。次いで65~69歳(約16万7000社)、55~59歳(16万6000社)と続く。

調査時に最も多かった60~64歳は、昭和21年(1946年)~昭和25年(1950年)前後に生まれた戦後世代で、「博」が名前人気ランキングで首位に立っている時期とほぼ重なる。だから「博」が最も多いというわけ。さらに、その前後に多かった「茂」や、戦前に多かった「清」が2位、3位と続く。

このほか、戦時中に多かった「勇」「勝」「進」(戦時色の強い名前)や、高度成長期に多かった「誠」「隆」「修」(社会・組織への忠誠心、経済発展、学歴社会を反映した名前)などもトップテンに食い込んでいる。つまり、社長の生まれ年に人気のあった名前がランキングにも強く反映しているのだ。「名前の謎」が統計から解き明かされた格好だ。

ちなみに、今から18年前の1993年4月に調査した社長に多い名前ランキングだと、首位「清」、2位「博」、3位「茂」となり、戦前生まれの「清」が最も多かった。名前ランキングでも「世代交代」が起きているのだ。世代交代が進めば、やがて「誠」や「大輔」が社長の名前ランキングの首位に立つ日が遠からずやってくるだろうと考えられている。

(→下記の「男性の名前の流行100年史 戦前は「清」、戦後は…」参照)

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