仮面ライダーの変身ベルト、ヒットの不思議男の子向けキャラクター好調の裏に「パパ」の存在

仕事一辺倒に疑問

森口さんは「お父さんの行動が影響しています」と解説し始めた。おもちゃで活発に遊ぶ年ごろの子どもを持つ30歳代後半の「第2次ベビーブーム世代」や、もう少し若い世代の男性は子育てに積極的に参加しているのだそうだ。

NHK放送文化研究所(東京・港)によると、30歳代男性が子どもとかかわる平均時間は10年が平日で21分、日曜日は57分。平日は12分、日曜日は34分だった00年より大きく延びた。

森口さんは「30歳代は就職直後に倒産やリストラに直面した世代。仕事一辺倒の生活に疑問を感じたこともあり、家庭を大事にします」と指摘する。彼らは幼い頃、戦隊モノなどに熱中もした。懐かしさいっぱいのおもちゃで、子どもと仲良くできる魅力もある。

経済学が専門の大阪大学教授、大竹文雄さん(50)は「お父さんの残業や休日出勤が減ることと関係しているかもしれません」と話す。父親が家にいる時間が長くなると遊ぶ時間が増え、一緒に遊ぶものを買う機会も増えるというわけだ。

男性の09年の残業時間は月平均で12.4時間と、07年より2時間強短い。10年は増えたものの、08年のリーマン・ショック前の水準には戻っていない。

さらにバンダイから面白い話が聞けた。体格のよい子向けに、変身ベルトに継ぎ足してどこまでも延ばせる部品を発売したところ、「予想以上の売れ行き。父親が自分用に買っているようです」。「ベイブレードの大会でも、子どもより熱くなるお父さんがたくさんいたよ」。玄輝が叫んだ。

長年、戦隊シリーズの製作にかかわってきた東映の鈴木武幸さん(66)の話も聞いた。「お母さんも味方に付けているんです」

35~40年前の初期のヒーローは力強さが売り物だったが、今は若くてかっこいい“イケメン”を主役に据えている。息子を持つ都内の女性(38)は「つい一緒に番組を見てしまいます。おもちゃをせがまれると、自然と財布を開きますね」と打ち明ける。

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