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歴史博士

液状化、古地図を見ればリスクが分かる

2011/6/1

 首都圏を中心に古地図が静かなブームだ。東日本大震災の影響で千葉県などが大規模な液状化災害に見舞われ、改めて自宅の地盤や土地の歴史を確認したい人が増えている。ただ古地図は作製した時代や場所でさまざまだ。我が家の「前史」を調べる効率的な方法を探った。

■図書館での閲覧希望、2倍に

液状化した道路(3月11日午後、東京都江東区)

 浦安市が大規模な地盤液状化に被災した千葉県。県立中央図書館では「震災前と比べ古地図の閲覧希望者が2倍に増えた」(千葉県資料室)。東京湾沿いの市川や船橋市民からの問い合わせが相次いでいる。震災の影響で休館中の茨城県立図書館にも古地図の閲覧問い合わせがあったという。

 内陸部の久喜市で地盤の一部が液状化した埼玉県でも県立浦和図書館には神奈川県など県外からも含め1日平均10~20人の利用希望者が訪れる。住宅購入の顧客に応じるためか不動産、建設関係者らの姿もちらほら目につくようだ。実際に閲覧申請して調べてみた。

■精度の高い旧陸軍の迅速測図

 同館が見せてくれたのが明治初期に旧陸軍が作製した関東地方対象の「第一軍管地方二万分一迅速測図」。江戸時代の絵図などでは現在の地図と照合しにくいためだ。

 迅速測図は近代史最大の内戦だった西南戦争(1877年)で戦闘用の地図に不足した陸軍が直後の80~86年に急きょ測量したもの。日本で初めての近代的な方法で作製した地図で、現在でも十分通用する精度という。特に「フランス式」と呼ぶタイプは水色や黄色で水彩式に色分けされ一般利用者にも比較的分かりやすい。

 ただ迅速測図が縮尺2万分の1なのに対し、現在のスタンダードである国土地理院などの「地形図」は縮尺2万5000分の1。地図記号なども違うため迅速測図1枚だけで目的の地域を特定するのは難しい。個人的にはサッパリ分からず、図書館員に教えてもらいながら現在の地図と比較する作業となった。

右が明治13年の新木場の様子。新木場周辺はまだ江戸湾の沖のかなたにある。左は現代の新木場

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