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マリック作品に栄冠、中堅世代も台頭カンヌ映画祭リポート2011(14)

2011/5/23

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実に32年ぶりである。「テレンス・マリック」の名がカンヌの閉会式の会場に響いた。1979年の「天国の日々」は監督賞だったが、寡作の巨匠の5作目「ツリー・オブ・ライフ」は見事にパルムドールを射止めた。

マリックの姿はやはり舞台になかった。プレゼンターのジェーン・フォンダからパルムドールを受け取ったのはプロデューサーのビル・ポーラッド。アン・リー監督「ブロークバック・マウンテン」、ロバート・アルトマン監督「今宵、フィッツジェラルド劇場で」など、野心的にして良質な米国映画を作ってきた人だ。

「今日テリーと話した。監督は興奮していたが、とても謙虚で内気な人間なので、自分がセレブリティな行動をしたり、セレブになったりすることは望んでいない」。ポーラッドは閉会式後の記者会見で、カンヌに現れなかったマリックについてこう語った。

審査員長のロバート・デ・ニーロはマリック作品への授賞理由について「詳細は述べない」としながら、「作品の中にある強さや意思が、最もパルムドールに近いものだと感じた」と答えた。

さすがにカンヌだと思った。コンペ作品の質は高かった。マリックをはじめ、ナンニ・モレッティ、ダルデンヌ兄弟、アキ・カウリスマキ、ラース・フォン・トリアー、ペドロ・アルモドバルと、ビッグネームがずらり並んだが、そのどれもが力作で、彼らの輝かしい作品歴の中でも見劣りがしないものだった。

加えて中堅世代の作品が粒ぞろいだった。デンマークのニコラス・ウィンディング・レフン(40)、イタリアのパオロ・ソレンティーノ(40)、イスラエルのヨセフ・シダー(42)、英国のリン・ラムジー(41)らのことだ。日本の河瀬直美(41)と同世代である。

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