プロ野球選手やJリーガー、何月生まれが多い?編集委員 小林明

日本ハムの斎藤佑樹投手(6月生まれ)

「人口構成自体に偏りがあるのかもしれない」と思い、国勢調査(2005年10月調査)で20~30代の男性の人口構成を調べてみたが、4~6月生まれ、7~9月生まれ、10~12月生まれ、1~3月生まれの20~30代男性全体に占める割合はどれも25%前後。4~6月生まれだけ人数が特別多いなどの偏りは見られなかった。

つまり「学期が4月から始まること」が野球やサッカーの上達や実績に影響を及ぼし、いつの間にか挽回(ばんかい)が難しい大きな“格差”を生んでいるということになる。女性の場合も同じ。バレーボールやバスケットボールなどでも、同様の傾向が見られるという。

実は、こうした現象は教育関係者らの間で「相対年齢効果」と呼ばれている。

「相対年齢効果」とは、同学年の競争で生じがちなひずみのことを指す。

通常、日本の子どもは満6歳に達した後の4月1日から小学校に通い始める。3月生まれ(4月1日生まれも含む)は6歳になるとすぐに入学し、4月生まれ(4月2日以降)は7歳直前で入学する。だから、両者の間に最大でほぼ1年の“格差”が生まれることになる。

サッカー日本代表の本田圭佑=CSKAモスクワ=選手(6月生まれ、共同)

この「相対年齢効果」は成長するにつれ、無視できるほどに薄まると考えられているが、幼年期における最大1年の“格差”はやはり大きい。

例えば、同学年で野球チームを作る場合、4月生まれの方が体力面でも精神面でも発育が進み、どうしても有利な場合が多い。そのため、結果的にチームのスタメンに選ばれ、より質の高い指導を受けられる可能性が高まる。

子どもはいったん成長の機会を与えられるとさらに士気が高まり、練習に励む。より強力なライバルと競い合い、貴重な成功体験を積み重ね、やがてプロ選手に育つというわけ。個人競技よりも、団体競技にこの現象がよく現れるという。同様の傾向は海外でも確認されている。

「持っている人はさらに与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる……」。「天才!」の著者マルコム・グラッドウェル氏によると、こうした現象は新約聖書のマタイ福音書の一節から、「マタイ効果」とも呼ばれているそうだ。

スポーツばかりではない。生まれ月と学業との関連性を裏付ける研究もある。

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