大人になっても英語を勉強するの?

就職を控えた大学生が浮かない顔で事務所にやってきた。「入社前からもっと英語を勉強しろと命じられました」。4月に英語必修化を控える近所の小学生、国本玄輝は「大人になっても英語なの」と驚き、探偵の深津明日香と調査を始めた。

富士通のブースで担当者の説明を聞く外国人留学生(東京都豊島区)

2人はベルリッツ・ジャパン(東京・港)が展開する英会話教室を訪ねた。1月にビジネス英語を学び始めたIT(情報技術)企業勤務の森茂子さん(48)は代表的な英語能力試験のTOEIC(トーイック)得点が820点。試験を実施する国際ビジネスコミュニケーション協会(東京・千代田)によると、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備える」という高い水準だ。

「それでも足りないんですか。満点は990点ですよ」。尋ねる明日香に森さんが付け加えた。「部長に昇進するには900点が必要だと言われたんです」

この春商社に就職する大学4年の三好辰典さん(22)はTOEICが「日常生活では十分」な660点。それでもベルリッツに通うのは「外国とのビジネスには英語が必須。さらに力を伸ばすためです」と話す。

社内で英会話教室

玄輝が情報を得てきた。「三井住友銀行は社内で教室を開いたんだって」。2人は東京都千代田区の同行東京本店に急いだ。一角のガラス壁に「マンツーマン英会話」と書かれている。

2月末に開講、就業時間中も受講できる。大阪本店にも教室がある。同行は昨年末、約1万3千人の総合職全員に「TOEICで800点以上を期待する」と通達済み。人事部の高橋克周さん(45)が説明した。「海外に出る中小企業を助ける例が増えています。大半の職場で英語が必要になりました」

この教室を運営するGABA(ガバ)の社長、上山健二さん(45)が話した。「ほかの教室でも昨年春ごろからビジネス英語の受講者が増えました。楽天、ファーストリテイリングが相次ぎ、英語の社内公用語化を表明、刺激を受けたようです」