ネット駆け巡るデマ情報に注意…巨大地震
東日本巨大地震を受け、インターネット上に、デマ情報が飛び交っている。役に立つ情報を他の人に広めようという"善意"の結果として、誤った情報がネット上に拡散している側面もある。情報の出所をしっかりと見極める必要がありそうだ。
フィッシング対策協議会(東京・千代田)は14日、日本への義援金を募ると見せかけて個人情報の詐取を目的にしていると思われる海外サイトが1件見つかったことを明らかにした。いわゆるフィッシングサイトで、個人のメールアドレスや名前を集める目的ではないかと調査している。
巨大地震に対する海外メディアの関心が高まる中、海外の善意の人たちがこうしたサイトに引っかかってしまう恐れがある。協議会の担当者は「海外から寄付をしたいと考える人は注意してもらいたい」と話す。
広がるチェーンメール
また地震発生直後に発生したコスモ石油の千葉製油所での火災については、「有害物質が発生し雨に混ざって降り注ぐ」という誤った内容のチェーンメールが携帯電話やパソコンを通じて広がった。実際、火災の原因となったのはLPガスを貯蔵していたタンク。LPガスは卓上コンロに使うカセットボンベやタクシーの燃料として使われている。同社の広報担当は「燃えて出てくるのは多くが二酸化炭素。人体に有害なものが出てくるわけではない」と説明する。
デマのチェーンメールはこれ以外にも多数あり、在日米国大使館は15日までに「日本にいる米市民は日本の当局の指示に従ってほしい。デマには流されないで」と注意を促すメッセージを出したほど。放射線医学総合研究所は14日、放射線対策として、ヨウ素入りのうがい薬の飲用を勧めるニセ情報がネットで流れているとして注意を呼びかけた。ヨウ素入りのうがい薬の飲用は体にとって有害だ。
ミニブログ「ツイッター」やソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及によって、情報がたやすく広がる環境が整いつつあることが、ニセ情報拡散の背景にある。情報源の吟味もネットを活用する上で必要なマナーといえそうだ。(電子整理部 岩本貴子)
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