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地名の謎 大阪「阿倍野」それとも「阿部野」?

2011/3/4

記事を書く上で場所や施設の名称の間違いは許されないが、関西にはミスを誘うような名前も多い。例えば近畿日本鉄道の「大阪阿部野橋(あべのばし)駅」。大阪市阿倍野区にあるのに「べ」の字が違う。「何でこんなにややこしいんだ」。神奈川県出身のデスクの問い合わせで、新潟県生まれの記者が事情を調べた。

駅名は「阿部野橋」、地名は「阿倍野」(近鉄・大阪阿部野橋駅構内)

大阪市でキタやミナミに次ぐ繁華街、阿倍野区。JRや市営地下鉄など複数の鉄道路線が乗り入れ、人の流れも絶えない。近鉄阿部野橋はそのターミナル駅だ。そばの市営地下鉄駅は「阿倍野」と行政区と同じ字を使っている。

1923年4月に開業した近鉄の駅名は当初、「大阪天王寺」だった。翌年、隣接する国鉄(現JR西日本)天王寺駅と区別するため「大阪阿部野橋」に改称した。その際、どの漢字を当てるか近鉄も頭を悩ませたらしい。

というのも昔から一帯には「阿倍野」と「阿部野」の表記が混在してきたからだ。結局、近鉄が今の漢字にしたのは「室町時代以降は『部』が多く使われており、駅名変更当時の天王寺村の大字名も『阿部野』だったため」と秘書広報部の吉川敏彦さん。

では行政が「倍」を選んだのはなぜか。阿倍野区役所を訪ねた。

「行政側でも阿倍野か阿部野かで議論があったようです」と話すのは区役所総合企画の千葉政子さん。阿倍野区は43年、もとの住吉区が阿倍野、住吉、東住吉の3区に分割されて誕生。当時も「部」「倍」が混在していたが、区内の土地台帳や戸籍原簿は「倍」を使っており、「それで『倍』と決めたらしい」と千葉さんは説明する。

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